新・必殺仕舞人(1982年)


第18作「新・必殺仕舞人」

  • 放送期間(話数):1982/07/02〜1982/09/24(全13話)
  • 放送時間:(金)22:00-22:54
  • レギュラー・準レギュラー出演者
    • 坂東京山:京マチ子
    • 直次郎:本田博太郎
    • おはな:西崎みどり
    • 権太:花紀 京
    • さくら:石屋智子
    • きく:尾崎弥枝
    • ぼたん:工藤時子
    • うめ:淡城みゆき
    • はぎ:吉田哲子
    • 善行尼:原 泉
    • 晋松:高橋悦史
  • スタッフ等
    • 製作:山内久司(朝日放送)
    • プロデューサー:仲川利久(朝日放送)/櫻井洋三(松竹)
    • 脚本:吉田 剛/松原佳成/石森史郎/南谷ヒロミ/篠崎 好/加田藤穂   
    • 音楽:平尾昌晃
    • OPナレーション:高橋悦史
    • 主題歌:「流星」(詞:喜多条忠/曲:平尾昌晃/編:竜崎孝路/唄:西崎みどり ミノルフォンレコード)
    • 監督:田中徳三/松野宏軌/井上梅次/前田陽一/津島 勝/水川淳三
    • 協力:エグラン演技集団 
    • 制作協力:京都映画撮影所(松竹撮影所)
    • 制作:朝日放送/松竹
  • オープニングナレーション(作:山内久司、ナレーション:高橋悦史)
 「今の世の中、男は女の力に負けそうです しかし昔、女は弱かった 破れ、傷つき、泣いていた そんな時代の出来事です 女の涙に映った恨みを晴らして歩く 仕舞人一座の物語 それでは開幕の拍子木を鳴らしましょう お命ご用心」
  • 放送リスト
話数 放送日 サブタイトル 脚本 監督 ゲスト 備考
制作前史 ・前年(1981年)8月末に「仕事人」のレギュラーキャスト総出演で上演された「納涼必殺まつり」(京都・南座)が好評につき、この年(1982年)の8月にも会場を南座と名古屋・名鉄ホールの2箇所、計1ヶ月に公演期間を大幅に延長して開催されることになったのに伴い、夏季期間中の「仕事人」シリーズの制作を中断(詳細は「新・必殺仕事人(♯30〜♯55)」参照)。その中断期間の繋ぎとして、前年5月〜8月にかけて「仕事人」シリーズの合間に放映され、安定した視聴率を残した「必殺仕舞人」の続編を制作する事となり、「仕舞人」の主要レギュラーキャスト陣(京マチ子、高橋悦史、本田博太郎、西崎みどり)の3ヶ月(1クール)分のスケジュールを確保した上で本作の撮影が開始された(”非主水”ものの「必殺」作品で前作とキャストの配役・ストーリー設定・番組構成をそのまま継承する形で続編が制作されたのは「仕舞人」が初)。
・”京山(京マチ子)率いる表向きは民謡手踊りの一座の体を取る裏稼業・「仕舞人」一味が全国の駆け込み寺にもたらされた女の怨みを晴らすためにその怨みの元となっている悪を制裁する”という作品コンセプトやそれに基づいた大方の番組構成はそのまま前作の「仕舞人」から継承された。他方、前作「新・仕事人」の更なる人気上昇の端緒となった”ビジュアル面重視の撮影・演出手法の導入””コミカルパートの強化”といった要素が、本作制作に際しても番組強化策として導入される事となり、前者については、高橋悦史演じる「仕舞人」の参謀役・晋松の殺し技の変更(前作の殺し技は鋼を仕込んだ腰縄を使って相手を苦悶させ、最後に刃を抜き相手の首を切り裂くというものであったが、本作では長い真田紐を結びつけた木拍子を使い、その紐で相手の首を締め上げて殺す技に変更されている)、一座の踊子たちによる舞踊シーンの強化(振付担当として大阪松竹歌劇団(OSK)で長年指導に当たってきたベテラン振付師・滝川はやみを新たに起用し、レビューショーの要素を舞踊シーンの演出に際して導入。これによって前作以上に絢爛な舞踊シーンが毎回に渡って展開され本作の見せ場の一つとなった)、後者については、当時の吉本新喜劇のエース・花紀京のレギュラー(駆け込み寺と「仕舞人」の繋ぎ役・権太役)起用といった形で具現化された。
・「仕舞人」初作から続くレギュラーキャストによる主題歌(エンディングテーマ)歌唱の担当の慣例は本作でも踏襲され、本作では過去に2度(「暗闇仕留人」・「必殺仕業人」)主題歌の歌唱を担当した経験を持つ”本業歌手”の西崎みどりの歌う「流星」が主題歌として制作・使用された。
1 498 1982/07/02 草津湯煙血の煙 吉田 剛 前田陽一 三崎千恵子(お寅)/中 康次(六助)/牧 冬吉(仁兵衛) ・同回で取り上げられた民謡は草津温泉の湯もみ唄として知られる「草津節」。
2 499 1982/07/09 大黒舞は殺しの舞 吉田 剛 前田陽一 草川祐馬(辰次)/堂園千秋(千代)/宮田圭子(お峰) ・同回で取り上げられた民謡は秋田の民俗芸能として知られる「秋田大黒舞」。
3 500 1982/07/16 三界節娘恋し父恋し 石森史郎 井上梅次 辻 萬長(洋八)/米村嘉洋(彦太郎)/田中 綾(お千代)/高木二朗(庄屋彦兵衛)/小瀬 格(丈寛) ・シリーズ通算500話を達成。
・同回の”京山一座”の旅先は新潟・柏崎。同地で知られる「三階節(三界節)」を取り上げる。
4 501 1982/07/23 八木節は悲しい村の恨み節 南谷ヒロミ 井上梅次 本阿弥周子(およし)/野平ゆき(おれん)/西山辰夫(石山)/美鷹健児(亥の吉)  
5 502 1982/07/30 会津磐梯山涙の嫁入り 篠崎 好 水川淳三 河原崎次郎(喜三郎)/高橋恵子[彩夏](お秋)/高野眞二(桔梗屋) ・前年に引続き、”必殺シリーズ放送10周年記念公演”と銘打ち、「仕事人」レギュラー陣総出演による「納涼必殺まつり」第2弾が名古屋・名鉄ホール(7月31日〜8月16日)、京都・南座(8月19日〜27日)にて上演される(メインプログラムの題目は「新・必殺仕事人 必殺・鳴門の渦潮」)。尚、名鉄ホール公演のみ三田村邦彦(秀役)がスケジュール都合により休演、同公演のみ内藤剛志が三田村の代役を務めた。
6 503 1982/08/06 南部よしゃれは鬼の道 松原佳成 水川淳三 山本昌平(神楽森観念)/原口 剛(牧野)/松井きみ江(たえ) ・同回の”京山一座”の旅先は岩手。同地で知られる「南部よしゃれ節」を取り上げる。
7 504 1982/08/13 貝殻節は子捨て唄 吉田 剛 津島 勝 石橋雅史(弁信)/佐藤万理(おきん)/白石奈緒美(お勘) ・同回の”京山一座”の旅先は鳥取。同地で知られる「貝殻節」を取り上げる。
8 505 1982/08/20 その手は桑名の焼き蛤 篠崎 好 津島 勝 織本順吉(鳴海屋)/小林伊津子(お美津)/千葉敏郎(衣川)/北見唯一(辰五郎) ・同回で取り上げられた民謡は三重・桑名で伝わるお座敷唄「桑名の殿様」。
9 506 1982/08/27 金比羅舟々恨みの波越え 南谷ヒロミ 井上梅次 谷口 香(司)/伊藤武史[幸雄](継之助)/古坂るみ子(八重) ・同回の”京山一座”の旅先は香川。同地で知られるお座敷唄「金比羅舟々」を取り上げる。
10 507 1982/09/03 喧嘩も楽しい河内音頭 吉田 剛 井上梅次 藤岡重慶(百舌屋)/正司花江(おこの)/柳原久仁夫(辰吉)  
11 508 1982/09/10 化け猫騒ぎはのんのこ節 吉田 剛 田中徳三 外山高士(陶斉)/仁和令子(お俊)/加地健太郎(牧村)/平岡 和(お甲) ・同回の”京山一座”の旅先は長崎。同地で知られる「長崎のんのこ節」を取り上げる。
12 509 1982/09/17 けだもの狩りはしげさ節 石森史郎 田中徳三 高峰圭二(菊千代)/上野山功一(勘兵衛)/千野弘美(お民)/穂高 稔(儀作) ・同回の”京山一座”の旅先は島根(隠岐)。同地で知られる隠岐民謡「しげさ節」を取り上げる。
13 510 1982/09/24 別れ囃子は阿波踊り 加田藤穂 松野宏軌 浜田 晃(淡斉)/中村孝雄(牧野)/竹見 潤(文吾)  
制作後の展開 ・製作陣は「仕舞人」初作、そして本作の好評ぶりから、かつての「からくり人」シリーズのように「仕舞人」シリーズを今後の”非主水”もの・13回シリーズの看板プログラムとして継続させる計画を立てていたが、「仕事人Ⅲ」終了後の1983年に関しては「仕舞人」レギュラー陣のスケジュール確保が困難を窮めた事(主演の京マチ子はこの年の夏にテレビ朝日系連続ドラマ「女たちの課外授業」への主演が決まっていたほか、高橋悦史も連続テレビ小説「おしん」(NHK)への長期出演のほか、他の単発ドラマ・映画への出演が重なり多忙を極めていた)に加え、兼ねてより「必殺」製作陣が出演を熱望していた中村雅俊のキャスティングに成功した事や、「仕事人Ⅲ」でピークに達した「必殺」人気を定着させる上で、江戸定住物である”主水”シリーズと大きく物語背景に変化が生じる”旅物”では何かと不都合があるとの製作側の判断もあって続編の製作は白紙に(代わって製作されたのが「必殺渡し人」)。そして、「仕事人Ⅳ」終了後の1984年にも続編の制作計画が浮上し、この年は京・高橋・西崎サイドからの出演承諾の返答を得ていたが、当時の製作事情(「仕事人」シリーズにおいて中村主水(藤田まこと)と並ぶ「必殺」の顔になりつつあった三味線屋の勇次役・中条きよしが「仕事人Ⅳ」でのシリーズ降板を示唆した事を受けて、勇次を「仕事人」から”一人立ち”させて、別シリーズの看板キャストとする構想が浮上した)から別作品を制作する事となりまたまた立ち消えに(代わりに製作されたのが「必殺仕切人」)。結局、「仕舞人」シリーズは初作・本作の2作のみで幕を閉じる事となった。

  • 最終更新:2015-09-07 02:45:16

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード