新・必殺仕置人(1977年)【♯21〜41】

第10 作「新・必殺仕置人」【第21話〜第41話まで】

  • 放送期間(話数):1977/01/21〜1977/11/04(全41話)
    • 本作は放送期間が「必殺」シリーズ作品としては長期(3クール超、41話)に及ぶため、編集都合から本項では全41話のうち、第21話(1977/06/10放映)〜第41話(1977/11/04放映)までの放送分につき下記にて取り扱うこととする。
  • 放送時間:(金)22:00-22:54
  • レギュラー・準レギュラー出演者(♯1〜20まで)
    • 中村主水:藤田まこと
    • 巳代松:中村賀葎雄
    • おてい:中尾ミエ(♯1〜19・25・26・28・31〜36・38・39・41)
    • 正八:火野正平
    • 死神:河原崎建三
    • 元締・虎:藤村富美男(元・阪神タイガース)
    • 吉蔵:北村光生(♯4〜41)
    • 屋根の男:マキ(♯21〜41)
    • 闇の俳諧師:藤沢 薫/阿井美千子/伴勇太郎/原聖四郎/堀北幸夫/沖 時男/遠山 欽/伊波一夫/秋山勝俊/瀬下和久
    • 中村せん:菅井きん
    • 中村りつ:白木万理
    • 念仏の鉄:山崎 努
  • スタッフ等(♯21〜41まで)
    • 制作:山内久司・仲川利久(朝日放送)/櫻井洋三(松竹)
    • 脚本:野上龍雄/村尾 昭/保利吉紀/松原佳成/中村勝行/嵯峨 忍/松田 司/和久田正明/岡本克己/古市東洋司/疋田哲夫/志賀正浩
    • 音楽:平尾昌晃
    • 編曲:竜崎孝路
    • 撮影:石原 興 
    • ナレーション:芥川隆行
    • 次回予告:野島一郎(ABC)
    • 主題歌:「あかね雲」(詞:片桐和子/曲:平尾昌晃/編:竜崎孝路/唄:川田ともこ 東芝レコード)
    • 挿入歌:「想い出は風の中」(詞・曲・唄:火野正平/編:比呂公一 ディスコメイトレコード)
    • 挿入歌:「海」(詞・曲・唄:火野正平/編:比呂公一 「想い出は風の中」B面曲)
    • 挿入歌:「つむぎ唄」(詞:片桐和子/曲:平尾昌晃/編:竜崎孝路/唄:川田ともこ 「あかね雲」B面曲)  
    • 監督:工藤栄一/松野宏軌/高坂光幸/原田雄一 
    • 制作協力:京都映画撮影所(松竹撮影所)
    • 制作:朝日放送/松竹
  • オープニングナレーション(作:早坂 暁、ナレーション:芥川隆行) ※「必殺仕置人」のナレーションを流用。
 「のさばる悪を何とする 天の裁きは待ってはおれぬ この世の正義も当てにはならぬ 闇を裁いて仕置きする 南無阿弥陀仏」
  • 放送リスト
話数 放送日 サブタイトル 脚本 監督 ゲスト 備考
21 249 1977/06/10 質草無用 保利吉紀 高坂光幸 今井健二(質屋みな月)/丘 夏子(おまん)/内田勝正(三次)/野々山香代子(おねこ)/丸谷剛士(おねこの弟)/岡田恵子(おしの)/下元年世(仙吉)/松田 明(古着屋親爺)/近江輝子(おけら屋内儀)/牧 路子(女郎)/和田かつら(里親) ・第20話〜24話までおてい(中尾ミエ)は登場せず。
・同回より褌一丁の姿で鉄たちの住む”観音長屋”の屋根上で釣り糸を垂らしながら彼らの行動をただ傍観しているだけという謎めいた人物・”屋根の男”(マキ)が登場。演じたマキは当時、正八役を演じる火野正平担当のマネージャーとして撮影現場に常在しており、”丸刈りに小太りで福々しい顔つき”という特徴的な彼のキャラクターに以前から注目していた演出担当の高坂光幸(同回の監督)が”俳優”としての起用を決定したとされる。
22 250 1977/06/17 奸計無用 松原佳成 松野宏軌 天津 敏(松崎屋徳兵ヱ)/西山嘉孝(笹川伊織)/上野山功一(黒井伝蔵)/唐沢民賢(金八)/柳川 清(為吉)/赤木美絵(おきみ)/重久 剛(呉服屋番頭)/日高 久(質屋の親爺)/萩原郁三(金大工)/竹中ひろ子・中本雅年(若い夫婦)  
23 251 1977/06/24 訴訟無用 松原佳成 高坂光幸 入川保則(辻屋仙蔵)/沼田曜一(伝次)/北川めぐみ(みよ)/城所英夫(公事師・長十郎)/尾崎弥枝(しず)/須藤 健(為吉)/三木 豊(与吉)/田畑猛雄(猫八)/美鷹健児(丑松)  
24 252 1977/07/01 誘拐無用 保利吉紀 松野宏軌 小坂一也(越後屋)/赤座美代子(お蝶)/小宮 守(喜三次)/須賀不二男(同心・秋月)/岩田直二(奉行・田原)/川崎あかね(おえん)/吉本真由美(おしん)/多田和生(正平)/平井 靖(浅吉)  
25 253 1977/07/08 濡衣無用 松田 司 高坂光幸 弓 恵子(お秋・秋野)/近藤 宏(庚申の月三)/石川えり子(おきぬ)/神田 隆(同心平田・三本杉)/玉生司朗(与力)/入江慎也(勘定方役人)/飯田覚三(老同心)/左名手ひさ子(おもん)/山上博子  
26 254 1977/07/15 抜穴無用 松原佳成
嵯峨 忍
松野宏軌 南原宏治(尾関一心)/芦屋小雁(清次)/灰地 順(月峰)/剣持伴紀(権太)/志乃原良子(さよ)/西田 良(同心・田渕)/西条真砂子(きく)/伴勇太郎(僧林)/倉谷礼子(女郎) ・序盤(第1〜3話)で嘉平役を演じた灰地順が別役でゲスト出演。
27 255 1977/07/22 約束無用 野上龍雄 工藤栄一 綿引 洪[勝彦](仙三)/服部妙子(とよ)/吉本真由美(おしん)/田口久美(お梶)/小柳圭子(おかみさん)/三星東美(遣手婆さん)/和田かつら(女胴師)  
28 256 1977/07/29 妖刀無用 和久田正明 松野宏軌 大木 実(池田左母次郎)/緑 魔子(登勢)/袋 正(三田村采女)/山口幸生(清五郎)/不破 潤(久蔵)/小林芳宏(村瀬市之進)/柳原久仁夫(村瀬又十郎)/溝田 繁(西尾孫太夫)/山本一郎(牢同心)  
29 257 1977/08/05 良縁無用 松原佳成 松野宏軌 岡崎二朗(細井弥一郎)/大関優子[佳那晃子](お京)/浜田寅彦(唐津屋半兵ヱ)/横森 久(稲葉龍之助)/小笠原良知(細井忠興)/大竹修造(仙吉)/山上博子(お万)/伊波一夫(勘定奉行)/乃木年雄(医者)  
30 258 1977/08/12 夢想無用 保利吉紀 高坂光幸 倉石 功(仁吉)/五味龍太郎(磯島重兵衛)/津田京子(おたみ)/小野川公三郎(文吉)/志摩靖彦(善兵ヱ)/下元年世(竜三九郎)/三浦徳子(おきぬ)/玉生司朗(同心・榊)/近江輝子(文吉の母) ・第17話に続き、正八役・火野正平の自作曲「想い出は風の中」が挿入歌として使用される。
31 259 1977/08/19 牢獄無用 松原佳成 松野宏軌 今井健二(高岡計部)/清水紘治(十郎太)/高野真二(石出帯刀)/穂高 稔(渡海屋)/永野達雄(堀田内膳正)/尾崎弥枝(いく)/小瀬 朗(同心・佐々木)/三島 猛(同心・水上)/梶本 潔(同心・岡本)/大東梁佶(三次)/出水憲司(囚人)  
32 260 1977/08/26 阿呆無用 村尾 昭 高坂光幸 川合伸旺(伊兵ヱ)/小島三児(利助)/小坂知子(おみつ)/木村 元(伝蔵)/唐沢民賢(源吉)/小野朝美(おまさ)/宮本圭子(おのぶ)/松尾勝人(役人)  
33 261 1977/09/02 幽霊無用 岡本克己 高坂光幸    
34 262 1977/09/09 軍牌無用 古市東洋司 原田雄一 多々良純(大開の一蔵)/平泉 征[成](源次)/中村孝雄(飯島典馬)/大前 均(網錦)/岩田直二(日下清風)/小林芳宏(日下迫心)/田中弘史(浅井俊二郎)/尾崎弥枝(お弓)/藤山喜子(梶)/団  巌(刀の岩) ・シリーズ中期〜「必殺仕事人・激突!」まで多数エピソードの演出を手がけた原田雄一の初演出担当回。
35 263 1977/09/16 宣伝無用 村尾 昭 高坂光幸 有川 博(宇之吉)/伊沢一郎(唐木屋市兵衛)/信 欣二(浜田屋弥左ヱ門)/小林尚臣(浜田屋平蔵)/桑垣浩子(おゆみ)/志乃原良子(おしず)/徳田 実(伝八)/北見唯一(菊屋主人)/飯田覚三(店の客)/原聖四郎(闇の俳諧師)  
36 264 1977/09/23 自害無用 疋田哲夫
志村正浩
工藤栄一 新田昌玄(福原九一郎)/テレサ野田(お糸)/大林丈史(鏡文十郎)/汐路 章(助川半蔵)/荒砂ゆき(志乃)/西山辰夫(与力・神崎)/藤江喜幸(粂次)/小柳圭子(女郎屋おかみ)/西田トキコ(おれん)  
37 265 1977/10/07 生命無用 松原佳成 高坂光幸 垂水悟郎(銀造)/天津 敏(大黒屋七兵ヱ)/高峰圭二(銀平)/鶴田 忍(九助)/五味龍太郎(熊吉)/小西由貴(質草の女)/上田ひとみ(八重)/新郷 隆(勘太)/藤尾 純(吉野屋喜左ヱ門)/平野 康(双六) ・「必殺仕業人」にて出戻り銀次役でレギュラー出演した鶴田忍が別役でゲスト出演。
38 266 1977/10/14 迷信無用 保利吉紀 原田雄一 鮎川いづみ(おもん)/島田順司(久蔵)/石田信之(定吉)/森 秋子(おかつ)/水上保広(仙太郎)/海老江寛(嘉吉)/中塚和代(小娘)/大橋壮多(瓦版売り)/三星東美・倉谷礼子(町の女)  
39 267 1977/10/21 流行無用 中村勝行 工藤栄一 大和田伸也(定吉)/八名信夫(久蔵)/村地弘美(おくみ)/江幡高志(藤五郎)/森下哲夫(宇之助)/大木正司(源七)/田畑 猛(同心・高田)/石沢 健(清太郎)/三笠敬子(女郎) ・シリーズ中期〜後期の常連悪役の一人、八名信夫のシリーズ初出演回。
40 268 1977/10/28 愛情無用 野上龍雄 高坂光幸 戸浦六宏(長次)/黒部 進(参次)/宍戸大全(又八)/八木孝子(お徳)/中川梨絵(お仙)/山本 弘(目明し・文蔵)/天王寺虎之助(了然)/黛康太郎(伊作)/山口幸生(与力) ・死神(河原崎建三)が殉職。本編を通じて口数も少なく表情のない”不気味”なキャラクターとして描かれた死神が裏稼業に身を置く娘に恋慕を抱き、その娘の死によって、「寅の会」の規律の番人にあるまじき掟破りを犯し、自滅の道を選んでいくという”人間臭い”一面が全編を通じて描かれ、これまでの同キャラクターのストーリー上での立ち位置との落差も相まって視聴者に強い衝撃を残す。翌週の最終話「解散無用」と併せて(同回エピソードは、最終話で描かれる「寅の会」の崩壊、巳代松の拷問による人としての機能喪失(廃人化)、元締・虎と鉄の死、そして「仕置人」解散へと繋がっていく伏線となるエピソードでもある)、必殺史上でも一、二を争う完成度の高いエピソードとして語られる事の多い回。
・第17・30話で挿入歌として使用された火野正平の自作曲「想い出は風の中」を正八(火野正平)が劇中で披露。また同曲のB面曲である「海」(同曲も火野の自作曲)が挿入歌として使用される。
41 269 1977/11/04 解散無用 村尾 昭 原田雄一 佐藤 慶(辰蔵)/清水紘治(諸岡佐之助)/唐沢民賢(道八)/山崎清三郎(田村十三郎)/高並 功(弥之吉)/東 悦次(義助)/森みつる(女郎)/平井 靖(小者) ・元締・虎(藤村富美男)、そして鉄(山崎 努)が殉職。同回は、かつてないほどの見せ場の多さや豪胆なストーリー展開、”主水シリーズ”の時系列的な兼合いから「必殺シリーズ史上最高傑作」「前期必殺シリーズの集大成」との定評が高いエピソード(具体的な同回のストーリーは下記の【付記】参照。
・本回ラストで鉄は「女郎屋と女と床入りしながら絶命する」という描写が挿入されているが、このシーンは山崎の提案によって取り入れられたものである(当初のシナリオではこれとは異なる「鉄の最後」が描かれる予定だったが、これに山崎が「”鉄”というキャラクターに相応しい最後を用意してほしい」と提案。結果、「女郎屋での絶命」に書き換えられる事となったという)。
・「仕事屋稼業」「仕業人」、そして本作と計3作で主人公チームの女性レギュラーキャストを務めてきた中尾ミエは本作をもってシリーズを卒業。一方、火野正平は、本作での演技が高く評価され、本作と同様の「正八」役で次の”主水”シリーズ作品「必殺商売人」にも連続登板することに。

【付記】第41話(最終話)「解散無用」ストーリー概略
死神(河原崎建三)や唯一彼が人の情をかけた裏稼業の娘の怨みをはらすために仕置を行う巳代松(中村賀葎雄)。見事仕置は成功したと思ったのも束の間、その現場を居合わせた見廻り同心らに押さえられ、囚われの身となってしまう。

一方、「寅の会」の番人であり、自身の養子でもあった死神の自害をきっかけに元締・虎(藤村)は裏稼業を続ける意欲を喪失し、突如組織の解散を表明。これに鉄(山崎)たちは猛反発するが、他方、この動きを歓迎する者がいた。その男の名は辰蔵(佐藤慶)。会の有力メンバーの一人である。この虎の解散宣言を受けて、浴びせかけるように辰蔵はかねてからの野望だった自身を元締とする新たな裏稼業組織「辰の会」を作ると表明。彼の実力に怖れを為した多くの仕置人たちはもはや力を失った虎の元を離れ、辰蔵に加勢した。

しかし、鉄だけはこの流れにただ一人入ろうとはしない。会の中でも図抜けた”仕置の確かさ”で定評のあった鉄の一味をどうしても自身の配下に組み入れたいと熱望する辰蔵は、”巳代松の解放”を条件として「辰の会」への勧誘を試みる。実は辰蔵は既に闇社会で権力を持ちたいという野望を抱いていた同心・諸岡(清水紘治)と結託しており、唯一、自身に逆らう鉄に揺さぶりをかけるために、そして、兼ねてより噂されてきた”鉄の一派にいるとされる刀を使う凄腕の第三の男”の存在を聞きだすために巳代松を人質にとったのだ。

このやり取りの中で、辰蔵の中に”外道”の気質を強く感じ取った鉄は、”外道仕事は引き受けない”というポリシーを貫き、この辰蔵の誘いを突っぱねる。この鉄の意思に密偵・正八(火野正平)は「仲間の命よりも仕置人としての美学を優先させた」と思い込み強く反発。強い結束を誇り続けた鉄・主水(藤田まこと)らにかつてないほどのやり切れぬ悲壮感と緊張感が走る。

一方、囚人への甚振りに職務以上の猟奇的な快楽を感じ取るという諸岡は、半ば私欲を満足させる意思を抱きながら、”第三の男”の正体を突き止めるべく苛烈な拷問を巳代松に浴びせかける。それでも巳代松は仲間との強い連帯を守り続け、口を割ろうとしない。

この動きを察知した虎は、自身と巳代松との人身交換を諸岡に要求するが、諸岡はこの頼みを一蹴。そしてこの動きが引き金となり、自身を裏切り辰蔵に加勢したかつての側近・吉蔵(北村光生)らに惨殺されてしまう。
辰蔵、諸岡らの真意を探るべく、辰蔵の元を訪れ、「辰の会に入る」と虚実を吐いた鉄。その足で虎の元を訪れると、そこにはメッタ刺しにされ命の糸が途切れかかっていた虎が横たわっていた。

虎は鉄に金を渡して「外道を頼む」と言い残し命を落とす。これにかつてないほどの憤怒の念を抱いた鉄は、虎を頼み人とした”最後の大仕置”の実行を決意。一旦、正八の営む絵草紙屋の地下に引き返し。主水たちと巳代松を救出する手立てを模索する。

この際、主水は巳代松の命と引き換えに自分の正体を明かすことが提案したが、鉄はこの主水の主張を制止、自ら単身で辰蔵の家に乗り込む。しかし、鉄の存在をすばやく察知した辰蔵の手によって鉄は囚われ、自身の仕置人としての生命線だった右腕を酷く焼かれる重傷を負ってしまう。

鉄に同行していた正八は鉄が負傷したこと、そして、その前後の鉄と辰蔵との遣り取りの中で巳代松が激しい拷問の末に廃人と化してしまったことを知る。この事を伝えに急ぎ足で主水の元に向かった正八は激しい怒りを胸に自らが辰蔵を処断すると言うが、主水はこれを一喝。主水は番所へと赴き、同心としての特権を活かして巳代松を釈放させ、正八とおてい(中尾ミエ)にその身を預け、その足で辰蔵の家へと”仕置”に向かう。

辰蔵の家に着くや、諸岡がそこにいることを知った主水は、平静を装った口調で諸岡を屋敷の裏に呼び寄せて惨殺。続けて、屋敷の中に突入し、”第三の男”の正体を知り畏怖の表情を浮かべその場を逃げ去る辰蔵を他所に、彼の配下たちを瞬時に葬った。

正八、おていは巳代松の”仕置人としての花道”を用意する。大八車に巳代松を乗せ、正八が車を押し、おていが巳代松とともに車の上に乗り、その背後で補助に回る形で虎殺しの主犯・吉蔵の命を数々の仕置で使い続けてきた竹鉄砲で射止め、花道を飾らせたのだった。

そして、鉄は辰蔵との格闘の末、辰蔵が持っていた刀で左手と腹部を刺されながらも、最後の気力を振り絞って機能不能に陥っていたはずの焼かれた右手で辰蔵に”骨はずし”の技を仕掛けて絶命させた。瀕死の傷を負いながら最後の仕置をし終えた鉄は、そのまま吉原の女郎屋へと向い、女と戯れたまま、眼を大きく見開きながら息を引き取る。女郎屋へと土気色になった顔つきで、ふらついた足で向かう鉄の後姿を主水はただ何も言わずに見送るばかりであった。

最後の大仕置から数日後。巳代松が囚われの身となった過程の中で彼と恋仲となっていたことが分かったおていは、巳代松と一蓮托生することを決意。彼を大八車に乗せて、「巳代松の身体を必ず直してみせる」と言いながら、正八の見送りを受けながら江戸を旅立つ。そして、主水はいつも通りに商人や町人から”袖の下を受け取り、にやけた表情を浮かべながら、いつも通りの”昼行灯”ぶりで町廻り同心としての仕事に勤しむのであった。
※前期(第1話〜第20話)の放送回一覧は「新・必殺仕置人」(♯1〜♯20)の項にて記載

  • 最終更新:2015-07-11 09:05:19

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