必殺仕置人(1973年)

第2作「必殺仕置人」

  • 放送期間(話数):1973/04/21〜1973/10/13(全26話)
  • 放送時間:(土)22:00-22:55
  • レギュラー・準レギュラー出演者
    • 念仏の鉄:山崎 努
    • 棺桶の錠:沖 雅也(♯1〜21・23〜26)
    • 鉄砲玉のおきん:野川由美子(♯1〜13・17〜20・21〜24・26)
    • おひろめの半次:津坂匡章(秋野太作)(♯1〜16・18・24〜26)
    • 天神の小六:高松英郎(♯1・3・4・6・16・23)
    • 同心・田口:生井健夫(♯1〜3)
    • 同心:森 章二(♯6・8・10・11・13・14・16・18・20・21)
    • 中村りつ:白木万理(♯1〜3・6・7・9・12・14・16・21・23・25)
    • 中村せん:菅井きん(♯1〜3・6・7・12・21)
    • 中村主水:藤田まこと(♯1〜19・21〜23・25・26)
  • スタッフ等
    • 制作:山内久司・仲川利久(朝日放送)/櫻井洋三(松竹)
    • 脚本:國弘威雄/安倍徹郎/山田隆之/松田 司/鈴木 安/野上龍雄/貞永方久/猪又憲吾/鴨井達比古/浅間虹児/勝目貴久/三芳加也/松川 誠/梅林喜久生/桜井康裕 
    • 音楽:平尾昌晃
    • ナレーション:芥川隆行
    • 主題歌:「やがて愛の日が」(詞:茜まさお/曲:平尾昌晃/編:竜崎孝路/唄:三井由美子 ビクターレコード)
    • 監督:松本 明/三隅研次/松野宏軌/大熊邦也/長谷和夫/工藤栄一/貞永方久/國原俊明/蔵原惟繕/田中徳三
    • 制作協力:京都映画撮影所(松竹撮影所)
    • 制作:朝日放送/松竹
  • オープニングナレーション(作:早坂 暁、ナレーション:芥川隆行)
 「のさばる悪を何とする 天の裁きは待ってはおれぬ この世の正義も当てにはならぬ 闇を裁いて仕置する 南無阿弥陀仏」
  • エンディングナレーション(作:野上龍雄、ナレーション:芥川隆行)
 「仕置き 法によって処刑する事を江戸時代こう呼んだ しかし、ここに言う仕置人とは法の網を潜ってはびこる悪を裁く闇の処刑人の事である 但し、この存在を証明する記録古文書の類は一切残っていない」
  • 放送リスト
話数 放送日 サブタイトル 脚本 監督 ゲスト 備考
製作前史 ・前作「仕掛人」の好調から、後継作品も当初は池波正太郎を原作者に据えた作品を制作する計画が立てられていたが、「仕掛人」の内容と自身の著作との内容が乖離していることに不満を持った池波側からの抗議に遭い、この計画は頓挫。次作は朝日放送側のチーフプロデューサー・山内久司を中心に朝日放送・松竹ラインによる完全オリジナル作品として製作されることになり、前作の基本コンセプトは踏襲しつつ具体的な物語設定面では前作との明確な変化を付ける試みが図られた。
・まず、前作「仕掛人」の基本コンセプトの一つであった”ホームドラマ要素の加味”が好評を博したことから、製作担当の山内久司は本作でも同路線を踏襲するとともに、更に本作では視聴者がダイレクトに感情移入しやすいキャラクターとして主要人物の一人の表稼業の設定を”サラリーマン”とする案を着想。”同心としての働きは平凡そのもの。そのくせ”袖の下”をしきりに要求し、周囲からは”昼行灯”と疎まれ、婿養子の手前、嫁姑にも頭が上がらず。しかし一歩裏稼業に足を踏み込むと、一転して”殺しのプロに早変わり”という、サラリーマンの平凡な日常と理想を表裏に備えたキャラクターとして「中村主水」が本作の重要キャラクターの一人として設定される事ととなった。この”表稼業の際の平凡さ”を誇張させ、裏稼業時とのギャップを引立たせる意図から「容姿が平均的な日本人男性」然としていることを条件として主水役のキャスト選考を行った結果、藤田の抜擢が内定。当初は喜劇役者としてのイメージの強かった藤田の起用を不安視する向きが朝日放送内でも多数を占めていたが、本作のローテーション監督の一人であった深作欣二や脚本陣の一角を担う野上龍雄らがこの配役を支持したことが決定打となり、藤田の起用が正式決定した(但し、演じた藤田は、本作への起用から第1話の撮影開始まで僅か1週間しか間が開いていなかったエピソードを含め「嫁姑にいびられる情けない役とごろを引き受けてくれる俳優が誰も居らず、結果的に自分のところに回ってきた」と自身の起用理由を自著等で後年回顧している)。以後、「必殺仕事人2009」までレギュラー版では16シリーズ、スペシャル編含め530話以上のエピソードで登板、”必殺”の顔として広い世代に認知されると共に演じる藤田自身にとっても屈指の”代名詞”的キャラクターに(「中村主水」シリーズ第1作)。尚、後年のシリーズでは不動の主人公・”リーダー格”として扱われていた主水だったが、本作では主人公ではなく(本作の主人公は山崎努が演じる念仏の鉄)、劇中における立ち位置も”参謀役”としての役回りがメインであり、回によっては”仕置”はおろか、劇中に一切登場しないエピソードもあった(尚、主水が”裏稼業”のリーダー格としてストーリーの中心に位置づけられるようになるのはシリーズ第6作「必殺仕置屋稼業」から、主水役の藤田が正式に放送上での主役扱いの処遇に固定されるようになったのは本作の続編に当たるシリーズ第10作「新・必殺仕置人」から)。
・この他、前作で人気を博した藤枝梅安(緒形拳)に相当する”怪力技”を得意とする本作の主役・念仏の鉄役で山崎努、そしてある程度の人生経験を積んで”仕置人”の道に入った鉄・主水の怠惰主義的な人物像と対極を為す”青臭い正義感”を心に持つ若手キャラクターとして設定された棺桶の錠役で沖雅也を新たに起用した他、藤田演じる主水を含めこの3人のメインの”仕置人”をサポートする役回りとして前作「仕掛人」との継続性を意識する意味合いから前作のレギュラーだった津坂匡章と、準レギュラー扱いで出演をしていた野川由美子が連続登板。特に鉄役・山崎努の”享楽主義的”な人間性をリアルに捉えた演技ぶりに対する視聴者からの反響は大きく本作の人気に大きく貢献。本作での貢献ぶりを買われ、後に「新・仕置人」での再登板、そしてその後も幾度が”復活”案が持ち上がるなど、以後長期登板した主水と並んで「必殺」に登場したキャラクターの中でも”別格”の人気・支持を視聴者・製作陣から獲得する名キャラクターに発展してゆくことになると共に、山崎の”当たり役”の一つに。
・前作「仕掛人」が”異色時代劇”として支持を得る要因となった”裏稼業者が弱者の晴らせぬ怨みを代わって晴らすべく悪人を制裁する”という作品コンセプトは本作でもそのまま踏襲され、更に本作ではそのコンセプトにより忠実なストーリー製作を進めることで、「仕掛人」で基礎付けられた「必殺」路線の世界観の発展・拡充を図る方針が採られた。その結果、本作の”制裁”シーンは、メインの制裁手法である”殺し”と併せて、”殺し”を実行する前段階である、被害者が具体的な害を被るまでのプロセスを踏まえた上での”悪人制裁”にも相応の重点を置いた描写が為されることとなった(このような経緯から本作のタイトルも”悪人を制裁=仕置する”という意味で「必殺仕置人」と命名された)。このため、特に初期エピソードにおいては、あえて”殺し”を前提として最初から悪人と対峙する事を避け、まず被害者の被害状況に応じて”因果応報”的な形で肉体的・精神的なダメージを与え、市井の晒し者にさせる等の手法で被害者の味わった実害と同等、またはそれ以上の苦痛を体験させた上で悪人を死に至らしめるという流れでストーリーが進展してゆくエピソードが本作では幾つか存在する。”この悪人を”殺す”のではなく”お仕置(制裁)する”というコンセプトは、「必殺仕置人殺人事件」の発生(下記放送リスト「第7話」備考の欄を参照)以降、徐々にコミカル色を強める形に軌道修正を図りながらも本作の作品世界を象る重要ポイントとして維持され一定の支持を獲得。この成功例を下に、プロデューサーの山内は後に「必殺」の現代版的作品として「ザ・ハングマン」シリーズ(1980年〜1987年まで、「必殺」シリーズの前枠番組として計7作製作・放送)の製作にも乗り出すこととなる。
・一方、”裏稼業組織”の位置づけについては、(前作とは異なり”池波正太郎原作”という縛りがなくなった影響もあってか)前作「仕掛人」との徹底した差別化が図られ、前作で描かれた”厳格な元締の存在を頂点とする厳しい戒律に支配された組織”とは真逆の”佐渡で見習い同心と囚人という立場で知り合いとなった主水・鉄が中心となって結成した、規律も緩やかな組織”として描かれることになった。この”旧知の仲にある人間が結成した”という組織の成り立ちや上記の”悪人制裁”を重きを置いた裏仕事遂行のスタンスから、本作の「仕置人」は何れも、”殺しのプロフェッショナル”としての高い意識を持っていた前作の「仕掛人」と比べて”殺し屋”としての意識がやや欠如していると思われる描写が多用され、この意識の希薄ぶりが遠因となってピンチに遭遇するという展開のストーリーも幾度か描かれる事となった。
1 34 1973/04/21 いのちを売ってさらし首 野上龍雄 貞永方久 大滝秀治(浜田屋庄兵衛・百姓の松造<二役>)/三島ゆり子(お島)/菅貫太郎(北町奉行・牧野備中守)/今出川西紀(お咲)/近藤 宏(与力・的場弥平次)/黛康太郎(嘉助)/新屋隆弘(与吉)/成田幸雄(孫八<特別出演>) ・後に「必殺仕事人」にレギュラー出演することとなる三島ゆり子がシリーズ初出演。
・本作のサブタイトルの頭文字はいろは歌の順序に準拠。
・1987年のシリーズ終了まで多数のエピソードを演出した貞永方久のシリーズ初演出回。}
2 35 1973/04/28 牢屋でのこす血のねがい 國弘威雄
貞永方久
貞永方久 原 良子(おしん)/松下達夫(山城屋)/宮口二郎(佐々木)/唐沢民賢(与力・高坂多聞)/入江慎也(近江屋)/で水憲司(河津)/北原将光(要助)/日高 久(親爺)/滝 譲二(宮崎)/暁新太郎(七兵衛)/松本荷葉(芸者)/丸尾好弘(浪人)  
3 36 1973/05/05 はみだし者に情なし 安倍徹郎 松本 明 入川保則(同心・島本)/常田富士男(亀吉)/茶川一郎(熊さん)/山本耕一(医師・道安)/唐沢民賢(与力・高坂多聞)/時 美沙(おせき)/神戸瓢介(目明しの六蔵)/笹 吾朗(目明しの文蔵)/松尾久子(おりん)/谷口 完(三國屋)/溝田 繁(紀州藩江戸家老・小笠原頼母)/松田 明(囚人)/嵐冠十郎(人形風の役者)/乃木年雄(湯屋の親爺)/高原喜三(牢番) ・同話をもって、主水の初代”上司”・田口(生井健夫)が退場。
4 37 1973/05/12 人間のクズやお払い 野上龍雄 三隅研次 黒沢年男(聖天の政五郎)/林 隆三(弥七)/伊藤栄子(お仲)/三島ゆり子(お島)/江幡高志(留造)/内田勝正(猪太郎)/五味龍太郎(武助)/山本一郎(茶吉)/杉山昌三九(吉五郎)/玉生司郎(文蔵)/黛康太郎(市助)/西崎 健(長次)/吉田聖一(仁造)/三田一枝(老婆)/森内一夫(やくざ)/藤川 準(牢番) ・同話は、のちに朝日放送が局側判断(自主規制)からサブタイトルを「ならず者成敗します」に改題の上、再放送。
・同回のメインゲストである黒沢年男・林隆三は、後に同じく山内久司制作による”現代版必殺”「ザ・ハングマン」(1980〜1981年)でダブル主役に起用された。
・後のシリーズ常連悪役ゲストの一人、江幡高志のシリーズ初出演回。
5 38 1973/05/19 仏の首にナワかけろ 山田隆之 大熊邦也 山田吾一(安蔵)/藤田弓子(お春)/遠藤辰雄[太津朗](黒達磨の大八)/永田光男(徳次郎)/吉川雅恵(お米)/正司照江[照枝](女郎)/美樹 博(佐平)/古川ロック・大橋壮多・馬場勝美・安藤仁一郎(三ン下)/花岡英樹(宿直の侍)  
6 39 1973/05/26 塀に書かれた恨み文字 國弘威雄 松野宏軌 中尾 彬(守山藩主・松平右京太夫忠則)/佐々木功(藩士・斎藤市蔵)/鈴木瑞穂(江戸家老・北上帯刀)/大村文武(藩士・新田内繕)/千葉敏郎(藩士・戸浦多三郎)/三島ゆり子(お島)/寺島雄作(茂助)/なかつかかずよ(おしず)/洒井靖乃(おいと)/比嘉辰也(源次郎)/島田 茂(山野)/瀧 義郎・徳田 実(囚人) ・3話で”お役御免”となった田口(生井健夫)の後任同心(役名不詳、演・森章二)が同話より登場。
7 40 1973/06/02 閉じたまなこに深い渕 山田隆之 工藤栄一 神田 隆(清原検校)/亀石征一郎(政五郎)/柴田美保子(お糸)/大竹修造(東一郎)/志乃原良子(お菊)/水上保広(手代・多助)/山村弘三(伝兵衛)/池沢道春(手代・竹次)/糸村昌子(お波)/洒井 哲(北町奉行)/渡辺憲吾(門番)/八代郷子(母親)/坂本高章(男の子) ・1987年のシリーズ終了まで多数のエピソードを演出した工藤栄一のシリーズ初演出回。工藤は本作では最終編2本の演出も担当。
・同回の本放送の翌日未明に神奈川県で起きた殺人事件に際し、同事件の被疑者が同回の放送を視聴しているうちに性的興奮に駆られ被害者の女性に抱きついたところ、女性から拒絶に遭ったために逆上して殺害に及んだ旨を供述(「必殺仕置人殺人事件」)。この供述内容が”犯行時に同番組を視聴したことが犯行の動機付けとなった”と拡大解釈されたために週刊誌やワイドショー番組等での格好の”ネタ”となり、この事態を重く見た当時のネットキー局・TBSはABCに対して番組の放送中止・打切りを含めた番組内容の変更・制作体制の再検討を要求(元々、「仕掛人」の放映開始当初から放送内容の過激さから放映中止の意向を示すなど、「必殺」の放映・継続にあたってTBS(特に当時の今道潤三TBS社長)は消極的な姿勢を採っていたこともこのような姿勢を採った背景となっている)。しかし、当時の番組中核スポンサーであった中外製薬・日本電装(及び日本電装の親会社に当たるトヨタ自動車)は視聴率の好調を理由として放映を継続するようTBS側に強い圧力を掛けたことに加え、公判時での被告人での供述(「自分はテレビに影響されるような安易な人間ではない」とする旨の供述)から番組との因果関係が否定されたことも重なり、最終的には番組路線の軌道修正を図ることと、当初予定していた”放送期間の延長”案を白紙にすることを条件として番組・シリーズの継続が決定された。
8 41 1973/06/09 力をかわす露の草 猪又憲吾 松野宏軌 安田[大楠]道代(ぬい)/柳生 博(若年寄・内藤安房守直忠)/大前 均(雲衛門)/丘 夏子(おみつ)/香月京子(お仙)/和田恵利子(志乃)/北原将光(土屋)/池田忠夫(佐助)/新海なつ(老女)/内田夏江(芸者)/暁新太郎(侍) ・同日に前作「必殺仕掛人」の劇場版第1作が公開(監督:渡邉祐介/脚本:渡邉祐介・安倍徹郎/製作:織田 明)。尚、テレビ版で梅安・左内をそれぞれ演じた緒形拳・林与一は同劇場版には出演せず、代わって田宮二郎(梅安)・高橋幸治(左内)がキャスティングされている。
・シリーズ初期の主要脚本陣の一人、猪又憲吾の初脚本担当回(以降、「必殺仕業人」まで連続で脚本ローテーション陣に参加。その後、「翔べ!必殺うらごろし」で限定的に脚本陣に復帰)。
9 42 1973/06/16 利用する奴される奴 安倍徹郎 松本 明 津川雅彦(清造)/磯野洋子(お順)/日高澄子(およう)/山口朱美(お新)/須永勝彦(佐々木半十郎)/遠山二郎(金次)/大橋壮多(三吉)/海老江寛(海老屋喜左衛門)/真木祥次郎(芳兵衛)/内田真江(女郎)/田中圭介(客)/松本智子(居酒屋の少女) ・数度のゲスト出演を経て、後に「必殺橋掛人」にてメインキャストとしてレギュラー登板することとなる津川雅彦がシリーズ初出演。
10 43 1973/06/23 ぬの地ぬす人ぬれば色 國弘威雄 松野宏軌 鮎川いづみ[いずみ](おゆき)/正司歌江(お仙)/北林早苗(お美代の方)/上野山功一(御広敷番・板倉新八)/高木峯子(御年寄・浦尾)/近江輝子(御客応答・添島)/小林勝彦(御広敷用人・村瀬東吾)/加賀ちかこ(表使・おその)/湊 俊一(森清武)/春日俊二(弥助)/藤沢 薫(音吉)/中林 章(友吉)/黛康太郎(山野)/和田正信(将軍) ・後に「必殺商売人」・「翔べ!必殺うらごろし」・「必殺仕事人」シリーズと長らくレギュラー出演、同シリーズを代表する女性キャストとなる鮎川いずみがシリーズ初出演。
・後のシリーズ常連悪役ゲストの一人、上野山功一のシリーズ初出演回。
11 44 1973/06/30 流刑のかげに仕掛あり 浅間虹児 國原俊明 三島ゆり子(お島)/今井健二(鬼の岩蔵)/木村 元(手先・政)/滝 譲二(手先・辰)/穂積隆信(有明屋孝兵衛)/時 美沙(有明屋妻・お甲)/古川ロック(番頭・清吉)/永野達雄(高田屋吉衛門)/八代郷子(高田屋妻・おちか)/柳川 清(北町奉行・坂部和泉守)/藤川 準(栄屋徳兵衛)/堀北幸夫・美樹 博(同心)
・後のシリーズ常連悪役ゲストの一人、今井健二のシリーズ初出演回。
12 45 1973/07/07 女ひとりの地獄旅 松田 司 工藤栄一 前田 吟(畠山藩主・畠山弾正小弼)/佐野厚子[アツ子](李麗花)/長谷川弘(家老・佐々木大繕)/五味龍太郎(弾正親衛隊頭・東山勘三)/西山辰夫(松平藩家老)/井上 茂(親衛隊士・由里源八)/宮川龍児・三木昭八郎・三村伸也(親衛隊士)/芦田鉄雄(松平藩士)/笹 吾郎(骨董屋)/野崎善彦(古道具屋)/松尾勝人(仲間)/岩田 正(金持ちの男)  
13 46 1973/07/14 悪いやつほどよく見える 浅間虹児 松野宏軌 林ゆたか(磐城藩士・多田兵助)/渥美国泰(江戸家老・榊原主繕)/高樹蓉子(冴)/田端猛雄(与力・原田)/守田学哉(永井甚内)/川口 喬(相生屋清衛門)/神戸瓢介(目明し)/吉田聖一・五十嵐義弘(同心)/松尾勝人(藩士)/松田 明(患者)  
14 47 1973/07/21 賭けた命のかわら版 三芳加也 工藤栄一 川合伸旺(鳴海屋利三郎)/松本朝夫(安孫子屋忠兵衛)/汐路 章(奥右筆・船津左衛門)/石山律雄(留造)/神鳥ひろ子(おそで)/外山高士(茂平)/寺島雄作(伊助)/芦沢孝子(お滝)/重久 剛(卯平)/馬場勝義(ドス政)/五十嵐義弘(とら鮫)/北原将光(小坂)/堀北幸夫(回船問屋)/森口一夫(口入れ屋)/加茂正幹(頭領)/太田優子(御新造) ・同回〜第16話までおきん(野川由美子)が一時退場。
・後のシリーズ常連悪役ゲストの一人、川合伸旺のシリーズ初出演回。
15 48 1973/07/28 夜がキバむく一つ宿 浅間虹児 蔵原惟繕 殿山泰司(雲水(大垣新兵衛))/伊佐山ひろ子(鳥追い・お銀)/青山良彦(青木精四郎)/左 時枝(志乃)/梅津 栄(商人・六兵衛)/牧 冬吉(百姓・多吉)/大森義夫(老職人・茂七)/堺左千夫(薬売り・弥助)/島 米八(飛脚・常吉)/永田光男(勘定奉行・浅間進之丞)/伊藤義高(江戸勤番・岡村仙衛門)  
16 49 1973/08/04 大悪党のニセ涙 國弘威雄 工藤栄一 森次浩司[晃嗣](仙八)/津坂浩史(万造)/西田 良(政吉)/京 春上(おしず)/伝法三千雄(源太)/千代田進一(貞次郎)/香月京子(おりん)/三田一枝(おみつ)/芦田鉄雄(音松)/徳田 実(伝七)/岩田 正(三国屋)/三ツ星東美(仲居)/高木峯子(遣り手婆) ・同回に万造役でゲスト出演した津坂浩史は本作レギュラー出演者の津坂匡章の実弟。
17 50 1973/08/11 恋情すてて死の願い 桜井康裕 長谷和夫 中田喜子(お鈴)/長谷川澄子(お美弥)/高峰圭二(作次郎)/高野真二(吟味与力・永尾忠之)/岩下 浩(上総屋清七)/真木祥次郎(但馬屋)  
18 51 1973/08/18 備えはできたいざ仕置 勝目貴久 松野宏軌 田口 計(橘屋文左衛門)/高森 玄(勘定組頭・加納十兵衛)/中井啓輔(大工・佐吉)/唐沢民賢(筆頭与力)/安倍玉絵(おさと)/藤川 準(おさとの父)/出水憲司(番頭・五助)/藤尾 純(丸岡の隠居)/三鷹健児(瀬田)/日高 久(大家)/城 義光(殺し屋)/松本荷葉(十兵衛の室)/中森朋子(若い女)/松尾勝人(若い役人) ・同回〜第23話まで半次(津坂匡章)が一時退場。
19 52 1973/08/25 罪も憎んで人憎む 國弘威雄 蔵原惟繕 伊丹十三(老中・秋山但馬守)/加藤 武(後藤庄三郎)/川口 恒(後藤精一郎)/唐沢民賢(与力)/金村進二(門田)/海老江寛(為吉)/井手良男(仙太)/田中弘史(小吹)/志賀 勝(吉野)/日高 久(音造)/藤沢 薫(喜作)/市川男女之助(常吉)/芝田總二(弥助)/黛康太郎(虚無僧)  
20 53 1973/09/01 狙う女を暗が裂く 鈴木 安 田中徳三 夏八木勲(虎吉)/真屋順子(蝶丸)/沢井宗之助(和泉屋)/郡司 良(伊勢屋)/清水 彰(板倉屋)/御影伸介(留造)/松尾勝人・山内八郎(野次馬) ・中村主水(藤田まこと)は登場せず。
・1987年のシリーズ終了まで多数のエピソードを演出した田中徳三のシリーズ初演出回。
21 54 1973/09/08 生木をさかれ生地獄 鴨井達比古 長谷和夫 柴田侊彦(仙吉)/浜田寅彦(備中屋久兵衛)/西沢利明(勘定吟味方・平田石見守)/西山恵子(お咲)/五味龍太郎(森田源八)/武 周暢(甚平)/森 秀人(弥平)/出水憲司(同心)/三木昭八郎・吉田聖一(役人)/丸尾良弘・槇堀秀勝(浪人)/平井 靖(門番)  
22 55 1973/09/15 楽あれば苦あり親はなし 猪又憲吾 松本 明 伊藤雄之助(野分の藤造)/朝丘雪路(お波)/白羽大介(清兵衛)/田中直行(新島小弥太)/榊原大介(伊之助)/千葉敏郎(源次)/三浦徳子(おまき)/木下サヨ子(老婆・すぎ)/奈村加代子(お美代)/重久 剛(平吉)/新城邦彦(新吉)/長岡三郎(弥助)/小庄義明(一太郎)/香西正人・山下勝玄(乾分) ・錠(沖雅也)は登場せず。
23 56 1973/09/22 無理を通して殺された 松田 司 松野宏軌 村井国夫(村野俊介)/野口ふみえ(揚羽のお蝶)/有馬昌彦(彦助)/池田忠夫(代貸・乙松)/北野拓也(子分・達吉)/城 義光(子分・寅)/広岡善四郎(子分・丑)/米座貞弥(子分・酉造)/唐沢民賢(与力)/出水憲司(同心)/浪川 進(牢番)/宮川龍児(囚人)/佐々木松之丞(口上役)/黒木和代(的の娘)  
24 57 1973/09/29 疑う愛に迫る魔手 松川 誠 長谷和夫 美川陽一郎(観音長屋大家・喜助)/瞳 順子(おとよ)/加藤和夫(角屋金蔵)/寺下貞信(手下・為吉)/守田学哉(普請方組頭・高島主馬)/玉生司朗(目明しの黒駒)/古川ロック(長屋浪人・大羽大繕)/小柳圭子(お峯)/大橋壮多(長屋の虎)/松田 明(長屋の松) ・第20話に続いて中村主水(藤田)は登場せず。
・同日に前作「仕掛人」の劇場版第2作「必殺仕掛人 梅安蟻地獄」が公開(監督:渡邉祐介/脚本:渡邉祐介・宮川一郎/製作:織田 明)。前作では別キャストに変更された主役コンビの配役を再びテレビ版の緒形拳・林与一に変更(但し、林の配役はテレビ版に登場した「梅安」以外の原作からの流用である西村左内役ではなく、原作「梅安」に登場する浪人・小杉小十郎役に変更されている)。
25 58 1973/10/06 能なしカラス爪をトグ 鴨井達比古 工藤栄一 島かおり(内藤秋絵)/三木 豊(内藤和馬)/浅茅しのぶ(松坂吉乃)/坂本友章(松坂隆之助)/相原巨典(塾長・島崎海山)/入江正徳(書院番頭・小沼土佐守)/入江慎也(林大学頭・宗春)/浜 伸二(黒川兵庫)/松尾勝人(魚屋)/内田真江(松坂家女中)  
26 59 1973/10/13 お江戸華町未練なし 梅林喜久生 工藤栄一 山本麟一(仁王門の寅松)/外山高士(南町筆頭与力・神島源之丞)/長谷川弘(北町筆頭与力・塩見内繕)/原田あけみ(おみ乃)/西山辰夫(寺社奉行組頭支配・沢井刑部)/山本一郎(乾分・辰三)/北野拓郎(乾分・政)/森 秀人(佐平)/出水憲司(同心・小林)/黛康太郎(同心・水谷)/八代郷子(水もらいの女房) ・同回のみEDテーマ「やがて愛の日が」をフルコーラス放送。
・後のシリーズ常連悪役ゲストの一人、山本麟一のシリーズ初出演回。
製作後の展開 {・本作は「仕掛人」から引き継いだ番組コンセプトに忠実なストーリー展開やキャスティングの妙が功を奏する形で前作を更に上回る人気を序盤から獲得。そのため、放送期間の延長(及び次回作として前作「仕掛人」の第2弾の制作)の予定が早々に立てられていたが、前述の「必殺仕置人殺人事件」の影響から何れも白紙に戻され、予定通り2クール(26回)で製作・放送を終了。後継作では「弱者の怨みに基づく悪人への制裁」という前2作の基本コンセプトや、ストーリー展開やキャスティング配置等、本作で設定された”完全オリジナルのテレビドラマ番組”としての基本構成は継承しながらも、”明朗闊達な”時代劇の王道を往くフォーマットを番組構成に取り入れたソフトタッチな作品として「助け人走る」の制作が決定、「必殺」の冠名が一時(番組タイトル上では)消滅することになった。
・尚、中村主水役の藤田まことを筆頭に、山崎努・沖雅也・津坂匡章・野川由美子の本作メインキャスト陣は何れも本作人気を支えた功労もあり、以後のシリーズ作品にも再出演。特に、主人公である山崎演じる念仏の鉄と、藤田演じる主水に対するキャラクター人気が高く、主水は第4作「暗闇仕留人」で再登板の後、「仕置屋稼業」「仕業人」「新・仕置人」「商売人」、そして「仕事人」シリーズと長らく”必殺の顔”として定着することとなったほか、鉄も本作終了後から視聴者からの再登板の呼び声が数多く寄せられ、結果、後の”腸捻転解消”(在阪ネットチェンジ)により生じた一時のシリーズ低迷の打開策として製作された「新・仕置人」で待望の再登板。同作での自由奔放さを増した人物像や、最終回での壮絶な死に様が本作以上に視聴者に強いインパクトを与え、以後も幾度か再登板の話が持ち上がるなど、主水とはまた別の意味で”必殺”の世界観を象徴する名キャラクターとして親しまれる事に。また、番組構成面で視聴者からの受けが高かった仕置人相互の”チームワーク”の妙による”仕置遂行”の展開は本作以降のシリーズ作品でも継承され、”剣術使い(主水)・怪力技使い(鉄)・小道具使い(錠)”のメインの殺し屋の組み合わせに”情報収集・サポート役”(もしくは間接的な形で裏稼業チームに関わるサブキャラ、本作では半次・おぎん)が1人〜2人(前期は男女1人ずつ、中期〜後期は男性、もしくは女性1人のパターンが多い)という組織構成(作品によってこれに「仕掛人」における”元締”が加わる場合あり)が以後の(特に”主水シリーズを中心とする)「必殺」作品における”裏稼業”組織内での登場人物配置の基本パターンとして定着する事になる。

  • 最終更新:2015-08-16 03:53:51

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