必殺仕事人Ⅴ(1985年)

第23作「必殺仕事人Ⅴ」

  • 放送期間(話数):1985/01/11〜1985/07/26(全26話)(+特別編1回:1985/01/04【「主水、第七騎兵隊と闘う」】)
  • 放送時間:(金)22:00-22:54
  • レギュラー・準レギュラー出演者
    • 中村主水:藤田まこと
    • 何でも屋の加代:鮎川いずみ
    • 組紐屋の竜:京本政樹
    • 西順之助:ひかる一平
    • 筆頭同心・田中:山内敏男[としお]
    • 広目屋の玉助:梅津 栄
    • 同心・溝呂木頼母:妹尾友信(特別編には登場せず)
    • お新:灘 陽子(特別編には登場せず)
    • 西巴:三浦徳子(♯1・2)
    • 西順庵:溝田 繁(♯1・6)
    • 中村りつ:白木万理
    • 花屋の政:村上弘明
    • 中村せん:菅井きん
    • おりく:山田五十鈴(特別編・♯1~3・9・11)
  • スタッフ等
    • 製作:山内久司(朝日放送)
    • プロデューサー:辰野悦央(朝日放送)/櫻井洋三(松竹)
    • 脚本:中原 朗/吉田 剛/保利吉紀/鶉野昭彦/篠崎 好/三田純市/林 千代
    • 音楽:平尾昌晃/中村啓二郎(ノンクレジット)
    • OPナレーション:中村梅之助
    • 主題歌:「さよならさざんか」(詞:宇山清太郎/曲:平尾昌晃/編:竜崎孝路/唄:藤田絵美子 リバスターレコード)
    • 挿入歌:「悲しみ色の・・・」(詞・曲:京本政樹/編:大谷和夫/唄:京本政樹 ビクターレコード/「Invitation」レーベル)
    • 監督:広瀬 襄/松野宏軌/田中徳三/八木美津雄/家喜俊彦/黒田義之/津島 勝/石原 興(SP4のみ)
    • 協力:エグラン演技集団/新演技座 
    • 制作協力:京都映画撮影所(松竹撮影所)
    • 制作:朝日放送/松竹
  • オープニングナレーション(作:山内久司、ナレーション:中村梅之助)
 「お医者様でも草津の湯でも 恋の病は治らねぇ 恋の闇より尚暗い 怨みの夜の稲妻に 姿が浮かぶ仕事人 顔は見ねぇでおくんなせぇ 心の闇を晴らしてみせやす」
  • 放送リスト
話数 放送日 サブタイトル 脚本 監督 ゲスト 備考
製作前史 ・主水シリーズの前作「仕事人Ⅳ」の制作途中で、長らく「仕事人」ブームを牽引してきた勇次役・中条きよしと秀役・三田村邦彦の同作限りでの「必殺」レギュラーからの離脱が正式決定(三田村については「仕事人Ⅳ」の撮影開始早々の段階で、中条については、撮影スケジュールが中盤に入った段階でそれぞれ正式に降板の申入れを製作サイドに伝えたとされる。但し、中条はその後、スタッフ陣からの翻意に押される形で、「仕事人Ⅳ」終了後に放送されることが決定していた「仕切人」へのメインキャストとしての連続出演を承諾、「仕切人」終了をもって正式にテレビシリーズとしての「必殺」から身を引くこととなった。また三田村も降板が決定した際に「将来的に秀を主役とした新しい作品を制作する」という約束を製作サイドとの間で取り交しており、それは1986年夏季に放送された「必殺まっしぐら!」で実現することになる)。これに伴い、「仕事人」の新作では三田村・中条の欠員を埋める新レギュラーキャストを起用する必要に迫られた製作サイドは1984年春頃より新キャストの人選に本格的に着手。同年8月中盤に既に上演が決定していた京都・南座での「納涼必殺まつり」でいち早く番組ファンに対して新キャストの”お披露目”をしたいという意向も重なり、急ピッチでキャスティング作業が進められ、まず、同年2月〜5月まで「必殺」と同じスタッフ陣で製作された「京都(秘)指令 ザ新撰組」への出演を経て、同年夏からの”非主水”シリーズの新作(当初は「仕舞人」の新作が予定されていた)への起用が内定していながら、その後の企画変更(「仕舞人」の看板キャストである京マチ子と「仕事人Ⅳ」からの連続登板となる中条を両看板に据えた「仕切人」に企画を変更)によりレギュラー入りが一旦白紙の状態となっていた京本政樹(元々、「ザ新選組」への出演も、かねてより「必殺」のファンを自負していた京本が「将来的に「必殺」にレギュラーで使ってくれるのなら」という条件を付け、それを製作側が承諾する形で決定したものとされる)の「仕事人」入りが決定。続いて、「仕事人Ⅳ」でのテスト出演時の好演ぶりが決め手となって村上弘明の起用が決定し、それぞれ京本には勇次の路線を汲む「組紐屋の竜」役、村上には秀の路線を組む「花屋の政」役が宛がわれることとなった(当初は京本を三田村の路線を汲む後継キャストに据える案があったが、村上の起用が決定した事に伴って両者のタレントイメージを勘案して村上を三田村の後継、京本を中条の後継に据える事となった)。こうして両者の”初お披露目”好演となった「必殺まつり」を経て、1985年新春スタート予定で「仕事人」の新作となる本作の製作・撮影が開始された。
・当時まだキャリアの浅い若手であり、知名度もさほど高いとは言えない状況にあった京本・村上の加入に伴って、本作ではED時のキャストクレジット上の序列も大幅に変更され、これまで当初は4番手、「新・仕事人」中盤からは3番手にクレジットされていた加代役・鮎川いずみが主水役・藤田まことに続く”2番手”に序列されるようになった(京本は鮎川に続く3番手、村上はトメ(山田五十鈴)の3番前の序列(りつ役・白木万理、せん役・菅井きんの間)にクレジットされた)。”主水”シリーズ作品で女性キャスト、しかも直接は”殺し”を担当しないサポート役キャラクターを演じるキャストが2番手に序されたのはこれが初めてのことであった。
・このほか、定番化された”コメディパート”についてもサブキャラクターの補充の形で強化が図られ、”昼行灯”の主水と対極をなす、筆頭同心・田中(山内としお)に忠誠を尽くす”優等生”の同心キャラクターとして溝呂木(妹尾友信)、いる先々で順之助(ひかる一平)を追いかけ回す執拗な愛情を注ぎ続けるオカマの広目屋・玉助(梅津栄)のライバル的なキャラクターとして順之助の許婚相手・お新(灘陽子)が新たに登場。その一方で”殺し”の場面ではバラエティ要素の強化により作品を追うことに希薄化しつつあった主水の”暗殺者”としての一面を強調する目的から、主水の”殺し”につき、刀の取っ手に細工を施した仕込みの短刀による”一撃必殺”の手法が多用されたり、新キャラクターの出自にまつわる場面ではシリアスな展開が盛り込まれるなど、従来通りのバラエティ要素を盛り込んだ”大衆向け時代劇”路線を基本としながら、新キャラクターの加入による「仕事人」の世界観の変容を意識した演出・作劇が進められることとなった。
・本作の主題歌である「さよならさざんか」は元々、主水役・藤田まことの歌唱を前提として製作されたが、藤田側の強い希望により、自身の実娘である藤田絵美子が歌唱を担当することとなった(尚、同曲は次作の「橋掛人」でも引続き主題歌として使われている)。
SP4 1985/01/04 必殺仕事人意外伝
主水、第七騎兵隊と闘う
大利根ウエスタン月夜
吉田 剛 石原 興 西郷輝彦(次郎衛門/ジェロニモ)/水前寺清子(お鹿/イエローディーア)/樹木希林(お松)/秋川リサ(メリケンお袖)/火野正平(勘太)/小松方正(仁助)/藤岡重慶(笹川の繁蔵)/遠藤太津朗(飯岡の助五郎)/板東英二(グッド・コントロール)/井上ユカリ(お弓/リツル・ボウ)/堺左千夫(桑山盛助)/下元年世(洲の崎の政吉)/樋口隆則(平田深喜)/ガーソン・バンスタイン(J・A・カスター将軍)/レアン・アームス(カラミティ・ジェーン)/ワーリック・ダネット(W・B・ヒコック)/マーチン・レオード(クレイジー・ホース)/イアン・ペルーマン(シッティング・ブル)/ション・タナー(レッド・サンダー)
【劇中ナレーション】玉井 孝(ABCアナウンサー)
・「仕事人Ⅴ」のレギュラー放送開始に先駆けて制作されたスペシャル版第4弾。天保末期の世、侠客として名を馳せる笹川の繁蔵(藤岡重慶)より送り込まれた刺客により殺された百姓一家の恨みを晴らすため、月夜の下、渡し舟で利根川を経由してのいる下総に向かおうとしていたはずの主水ら仕事人一行が、突如として西部開拓時代のアメリカにタイムスリップし、開拓民保護の目的から原住民たち(インディアン)の集落に相次いで襲撃を仕掛けていたカスター将軍率いる第七騎兵隊との闘いに挑むという異色の物語。講談「天保水滸伝」や西部劇の要素が取り入れられ、仕事人と第七騎兵隊との対決パートではウェスタン音楽が、江戸からアメリカへとタイムスリップする場面では田端義夫の往年のヒット曲「大利根月夜」がそれぞれ劇中BGMとして使用されている。
・同エピソードで組紐屋の竜(京本政樹)、花屋の政(村上弘明)がテレビシリーズ初登場。
・シリーズ前期を代表する「新・仕置人」(1977年)を皮切りに「商売人」(1978年)「必殺うらごろし」(1978〜1979年)と計3作で密偵役としてレギュラー出演した火野正平が約6年ぶりにシリーズにゲスト出演。
1 623 1985/01/11 主水、脅迫される 吉田 剛 広瀬 襄 草川祐馬(井出文之進)/井田弘樹(近藤清太郎)/菊池優子(お光) ・新たなサブキャラクターとして同心・溝呂木(妹尾友信)、お新(灘陽子)が同エピソードで初登場。
2 624 1985/01/18 主水、混浴する 篠崎 好 八木美津雄 上村香子(お甲)/小野進也(藤七)/五味龍太郎(永瀬)/角倉清美(お弓)/丘路 千(八木原)  
3 625 1985/01/25 加代、ゴリムリンを売る 保利吉紀 田中徳三 戸浦六宏(孫七)/中本美鈴(お久)/西山辰夫(鳴門屋)/玉井駿太郎(陣十郎)/福本清三(格之進)/白井滋郎(朝吉) ・サブタイトルの「ゴリムリン(劇中では”五里霧林”と表記)」は1980年代前期にブームとなったパズル玩具・ルービックキュープの事。
4 626 1985/02/01 主水 家をしめ出される 中原 朗 広瀬 襄 石濱 朗(下山)/花紀 京(白雲道人)/小田かおる(お直)/大島宇三郎(円了)/北九州男(玄円)/田中千恵(お志乃) ・「新・仕舞人」にレギュラー出演した花紀京が約3年ぶりに別役でシリーズにゲスト出演。
5 627 1985/02/08 主水、奉行所の人員整理にあわてる 篠崎 好 松野宏軌 野際陽子(お京)/井上昭文(鬼平次)/山本紀彦(瀬川)/伊庭 剛(弥助) 後に「必殺仕事人2007」以降のスペシャル版にレギュラー出演することとなる野際陽子がシリーズ初出演。
6 628 1985/02/15 りつ、減量する 中原 朗 田中徳三 森次晃嗣(嘉ヱ門)/八名信夫(儀ヱ門)/森永奈緒美(おはる)/高峰圭二(銀次)/成瀬 正(猪之吉)/岩尾正隆(渡世人)/笹木俊志(勘太)/有川正治(浪人)/伴勇太郎(玄心)  
7 629 1985/02/22 主水、生体解剖に腰を抜かす 林 千代 黒田義之 草薙幸二郎(源庵)/外山高士(幸兵衛)/川田あつ子(お君)/小林芳宏(弥助)/石倉英彦(東舟)/須永克彦(良庵)/田畑猛雄(仙三)/鳴尾よね子(お峰)/湯口和明(小太郎)  
8 630 1985/03/08 加代、モグラ男夫婦にあてつけられる 篠崎 好 松野宏軌 萬田久子(お絹)/斉藤清六(石亀)/黒部 進(名張屋の矢源太)/丹古母鬼馬二(丸塚の留五郎)/広瀬義宣(勘太)/野上哲矢(権八) 前年公開の劇場用作品「必殺! THE HISSATSU」に地下潜りを得意とする仕事人・石亀役を好演した斉藤清六が映画と同様の配役でゲスト出演(斉藤と同エピソードでその妻・お絹の役を演じた萬田久子は、同エピソードへの客演により次作「橋掛人」へのレギュラー出演が決定した)。
・加代役・鮎川いずみが事故による負傷(撮影現場への移動中に車と接触、ムチウチになった)のため同回以降、しばらくの間、頚部にコルセットを付けた状態での出演を余儀なくされることに(同時に鮎川への負担軽減のため、脚本を一部変更し、当初予定では加代の出番となっていたパートの幾つかを他のレギュラーキャスト(主に劇中で鮎川とのセットで登場する機会の多かった政役の村上、もしくは順之助役のひかる一平)が代行する形が取られた)。
9 631 1985/03/15 主水、キン肉オトコに会う 中原 朗 津島 勝 嶋田隆司(ゆでたまご)(松之助)/中井義則(ゆでたまご)(竹吉)/高石 太(梅太郎)/本阿弥周子(おみよ)/上野山功一(上林)/芝本 正(三谷)/大木悟郎(上州屋)/筑波 健(原田) ・当時、日本テレビ系でテレビアニメ化され大ブームとなっていた漫画「キン肉マン」を題材とした回。同作の原作者であるゆでたまご(嶋田隆司・中井義則)が”薬草付けされたゆでたまごを売り歩く、仕事人に憧憬を抱いている若き行商人”という役設定でメインゲスト(被害者役)として出演(彼らが熱心な「必殺」シリーズのファンであるとの情報を掴んだ番組スタッフが、俳優としての本作への出演を嶋田・中井にオファーし、これに快諾したことを受けて急遽製作されたエピソードとされる。但し、両者ともに演技経験がないため、演技の拙さをカバーするためのサポートキャストとして当時、吉本新喜劇の中堅として活躍していた中石太が彼らの兄貴分役として配役されている)。
10 632 1985/03/22 主水 ヘソクリを盗まれる 篠崎 好 黒田義之 塩沢とき(綾乃)/川合伸旺(三野田伊織)/牧 冬吉(大和屋徳兵衛)/石山律雄(森田屋利平)/大下哲矢(梶木仙十郎)/生田智子(お袖) ・当時バラエティ番組での過激な発言と独特のヘアスタイル・ファッションで注目を集めていた塩沢ときが特別ゲストとして出演(この出演がきっかけとなって、本作と並行して製作・撮影が進められていた「仕事人」としての劇場版第2作「ブラウン館の怪物たち」への塩沢のゲスト起用が決定した)。
11 633 1985/03/29 主水、送別会費を全額盗まれる 鶉野昭彦 田中徳三 有島一郎(浦島亀吉)/藤木 悠(双つ頭の海蛇)/草薙良一(権三)/大橋壮多(兵六)/玉生司朗(白不動)/司 裕介(伊造)/酒井葉子(おはん) ・おりく(山田五十鈴)のテレビシリーズでの最終登場回(山田はこの後、劇場版作品「ブラウン館の怪物たち」の撮影に参加。同作のクランクアップを以て「からくり人」(1976年)以来、断続的な形ながら足掛け9年にわたって主要キャスト陣の一人として出演を続けてきた同シリーズから正式に”卒業”)。
12 634 1985/04/19 組紐屋の竜 忍者と闘う 保利吉紀 松野宏軌 河原崎権三(野猿)/石橋雅史(長)/野平ゆき(初音)/中嶋俊一(菊丸)/世利ゆかり(おたえ)/香月京子(おばば) ・「新・仕置人」(1977年)に死神役でレギュラー出演した河原崎権三がメインの悪役ゲストとして出演。
13 635 1985/04/26 主水、ヒヒ退治する 三田純市 松野宏軌 浜田 晃(青柳市兵衛)/高野真二(大黒屋宗兵衛)/森下哲夫(伝次)/山口千枝(お小夜)/須永克彦(武州候)/高橋 仁(雲州候)  
14 636 1985/05/03 主水、上役の田中と出張する 中原 朗 家喜俊彦 山本昌平(岩鬼典膳)/内田勝正(雲井)/伊吹 徹(小沼)/井上ユカリ(おちか)/野口貴史(高倉)  
15 637 1985/05/10 主水、いじめられっ子になる 林 千代 松野宏軌 横山ノック(与太郎)/二宮さよ子(八重)/遠藤征慈(越後屋七兵衛)/伊藤 高(佐助)/小池雄介(倉沢)/桃山みつる(おこう)/野口一美(ゆき)/駒田真紀(お光)  
16 638 1985/05/17 主水、入院する 中原 朗 松野宏軌 金田龍太郎(不知火の荘右衛門)/千波丈太郎(五郎太)/小川晃志郎(国太郎)/大竹修造(仙之助)/五十嵐義弘(吉次)/有川正治(六蔵)  
17 639 1985/05/24 加代 子守唄を歌う 林 千代 家喜俊彦 本田博太郎(勘助)/宗方勝巳(矢崎)/山田はるみ(お葉)/下元年世(銀次) ・「仕舞人」「新・仕舞人」で主要キャストの一人としてレギュラー出演した本田博太郎が同エピソードのメインゲストとして約3年ぶりにシリーズに出演。
・同エピソード撮影の頃、同時併行で撮影が進められていた劇場作品「ブラウン館の怪物たち」の撮影中に竜役・京本政樹がオープンセットの屋根から誤って地面に転落し、全治2ヶ月の重傷(右足複雑骨折・アキレス腱断絶)を負う。これに伴い、同回より京本の出演シーンは大幅に削られ(当初の脚本では京本の登場シーンとなっていたパートの大半を脚本内容を大幅に改変した上で他のレギュラーキャストが代行)、他のキャストへの代替が利かない場面でも、京本自身のショットはギブス固定された右足を隠す必要から座位の姿勢、もしくは立位の状態の場合には上半身のみの撮影に限定され、頼み料の受け取りシーンなど後姿での全身ショットが必要な場面についても代役を立てての撮影を強いられることに(全身ショットの代役については京本自身の要請から、前エピソードでゲスト出演していた千波丈太郎が担当)。
18 640 1985/05/31 花屋の政 ワル仕事人と闘う 保利吉紀 松野宏軌 賀来千香子(お涼)/藤堂新二(音吉)/外山高士(辰蔵)/当銀長太郎(卯之吉)/武井三二(甚八) ・当時、一部週刊誌で政役・村上弘明との交際が報じられていた賀来千香子が政の元恋人という役設定でメインゲストとして出演。同回での両者の共演は当時テレビ情報誌等で話題となった。
19 641 1985/06/07 加代、天才男と商売する 篠崎 好 松野宏軌 丹羽義隆(木阿弥)/田口 計(大黒屋徳兵衛)/井上高志(佐理衛門)/須藤 健(宗久)/西山辰夫(小野寺主膳)/荒井 路(お千代)/野上哲矢(丑松)/田中弘史(瀬川) ・戯曲「アマデウス」をパロディ化したエピソード。
20 642 1985/06/14 主水、田植えする 中原 朗 家喜俊彦 大場 順(弥平)/五味龍太郎(松五郎)/池田直人(正太)/増田再起(仙次)/桐山まゆみ(おみち)/ホープ豊(花吉)  
21 643 1985/06/21 組紐屋の竜 右足を傷める 保利吉紀 松野宏軌 仁和令子(ちよ美)/高木二朗(一文字屋)/大橋壮多(音松)/原田高司(天堂)/中島俊一(駒吉)/岡村嘉隆(泉州屋) ・前述の竜役・京本政樹の重傷を受けて、急遽製作されたエピソード(同回以降、京本は各回のエピソードの本筋に全く関わらない形での出演(仕事料の分配と殺しの場面のみに登場)を余儀なくされることに)。
22 644 1985/06/28 主水、イッキ飲みする 林 千代 黒田義之 中井啓輔(梶原)/有吉ひとみ(お千加)/中村容子(お妙)/有田麻里(村岡)/小竹林義一(源庵)/山本一郎(文蔵) ・松竹創業90周年・朝日放送創立35周年記念作品として、「仕事人」劇場版作品第2作「必殺!2 ブラウン館の怪物たち」が公開される(6月29日)
23 645 1985/07/05 加代、五千両の金塊を拾う 篠崎 好 松野宏軌 島田順司(田倉勘助)/原口 剛(後藤伊三郎)/石山雄大(跡部)/斉藤絵里(のぶ)/白井滋郎(銀三)  
24 646 1985/07/12 花屋の政 雷雨の中で闘う 篠崎 好 松野宏軌 近藤 宏(名良屋藤左衛門)/黒部 進(丁子屋仙蔵)/大塚良重(お品)/岩尾正隆(根岸左太夫)/氏家 修(清次)/楠 年明(紅林堂市兵衛)/石倭裕子(八重)  
25 647 1985/07/19 主水、源氏と平家に泣かされる 三田純市 黒田義之 岡村菁 太郎[七代清元延寿太夫](牛若)/香山まり子(お静)/田畑猛雄(重兵衛)/中村錦司(源九郎)/桃山みつる(お徳)/丘路 千(梶原)  
26 648 1985/07/26 主水、下町の玉三郎と出会う 保利吉紀 松野宏軌 梅沢富美男(早変りの梅富)/遠藤憲一(徳川宗孝)/斉藤林子(お島) ・1983年の「夢芝居」のヒットにより「下町の玉三郎」の愛称で全国区の人気を獲得した大衆演劇のエース、梅沢富美男が同エピソードのメインゲストとして出演(この出演がきっかけとなって、「仕事人」としての次回作「仕事人Ⅴ・激闘編」への主要キャスト(はぐれ仕事人・弐役)としての起用が決定した)。
・順之助役・ひかる一平が本作終了をもって一旦シリーズを降板(番組をハードボイルド志向の強い路線へと転換するに当たり、ひかるが演じる順之助の軟派なキャラクター性が作風的にそぐわないと判断された事や、番組関係者が設けた酒席の場でのひかるが泥酔の余りに悪態を付いてしまい、それに対して番組スタッフが懲罰的な意味合いから一時的にレギュラーから外す判断を下した事などが一時降板の要因とされている。その後、ひかるは本作放送終了の直後に上演された京都・南座公演「納涼必殺まつり」への出演を最後に一旦「必殺」からは離脱。約1年半後の1986年11月より開始された「仕事人Ⅴ・旋風編」でレギュラー復帰を果たした)。これに伴い、玉助役・梅津栄も本作限りでレギュラーを降板することに(劇中での梅津の扱いがひかる一平とのセット扱い、かつ1~2カット程度の出番に限定されていたたため。
終了後の展開 ・開始当初、「仕事人」ブームの立役者だった三田村邦彦、中条きよしの離脱や、前作「仕切人」の中盤以降の急激な視聴率低下などの影響により苦戦が危惧されていた本作であったが、三田村・中条の後継キャストとして登板した村上・京本が開始早々の段階から若い女性層を中心に支持を獲得、各テレビ情報誌、芸能週刊誌でも大々的に両者をクローズアップする形で本作の特集記事が頻繁に掲載されるなど、営業面では政・竜に対する若年層からの人気を下支えとした「第2次仕事人ブーム」の到来を予感させる結果を残した。そのため、当初は更なる放送期間の延長が予定されていたが、「ブラウン館―」の撮影中に京本が右足骨折の重傷を負うアクシデントが発生したほか、撮影中盤で事故に遭いむち打ち症を患って以降、加代役・鮎川いずみも体調面で不安を抱えていた事情もあり、テレビエピソードの撮影スケジュールにも大きく支障が生じるようになり、結果的に京本・鮎川の全快を待って「仕事人」を再開させるという前提で当初予定通り、2クール(全26話)で本作は放送を終了することとなった。
・一方、前作「仕切人」の頃より、一部視聴者や古参の現場スタッフ、放送関係者の間からは、「新・仕事人」以降継承されてきたバラエティ番組の構成を参照した演出・作劇手法に対して否定的な声が上がるようになり、それはテレビシリーズの視聴率や本作の劇場版作品「ブラウン館の怪物たち」の興行収益の面にも如実に現れるようになった(特に関東地方での視聴率低下は顕著であり、平均は17.1%、最高は第5話の21.0%と何れも「仕事人Ⅳ」を下回る結果に終ったほか、「ブラウン館―」も初動の観客動員数は好調だったものの、映画タイトルにも反映された、当時のテレビの人気番組の要素を多分に取り込んだ奇想天外なストーリー展開が評価されず、結果的には前作の「必殺!」を下回る興行収益に終った)。そのため、番組製作陣はバラエティ色重視の路線が本作で一定の限界に達したと判断、以後のシリーズの方向性を開始当初の原点に立ち返ったハードボイルド志向の時代劇として展開させてゆく方針に転換。その方針に則って、バラエティ路線が本格化した「仕事人Ⅲ」の事実上の最初のエピソードである「仕事人大集合」(1982/10/01放送)をもって、制作スタンスの食い違いからシリーズを一旦離れた初期「必殺」の演出陣の要衝・工藤栄一を約3年ぶりに招聘。彼を中心とした演出陣の下で久々の本格的なハード志向の新作「橋掛人」の撮影が開始されることとなった。
【別記】劇場版作品「必殺! 2 ブラウン館の怪物たち」(1985/06/29封切)
  • 製作:山内久司(朝日放送)/櫻井洋三(松竹)
  • 監督:広瀬 襄
  • 脚本:吉田 剛
  • 音楽:平尾昌晃/中村啓二郎
  • 出演
    • レギュラーキャスト(仕事人):藤田まこと(中村主水)/鮎川いずみ(加代)/京本政樹(組紐屋の竜)/村上弘明(花屋の政)/ひかる一平(西順之助)/山田五十鈴(おりく)
    • レギュラーキャスト(上記以外):菅井きん(せん)/白木万理(りつ)/山内としお(筆頭同心・田中)/梅津 栄(玉助)
    • ゲストキャスト:森田健作(藤林辰之進)/平幹二朗(老中・稲葉)/中井貴恵(お葉)/柏原芳恵(百地お千)/沖田浩之(服部佐一郎)/笑福亭鶴瓶(丑寅の角助)/塩沢とき(蜘蛛の手のお時)/高田純次(猿走りの純平)/兵藤ゆき(鉄額のお国)/ケント・ギルバート(アーネスト・サトウ)/明石家さんま(沖田総司)/西川のりお(土方歳三)/金田龍之助(大黒屋如安)/藤岡重慶(猿屋町の元締)/大前 均(大黒屋用心棒)/竜小太郎(山椒玉の小太)/ポール・セレスキー(ブラウン)

  • 最終更新:2016-05-18 10:50:14

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