必殺仕事人Ⅳ(1983〜1984年)【♯22〜43】
第21作「必殺仕事人Ⅳ」【第1話〜21話まで】
- 放送期間(話数):1983/10/21〜1984/08/24(全43話)(+特別編1回:1982/12/31【「仕事人アヘン戦争へ行く」】)
- 本作は放送期間が「必殺」シリーズ作品としては長期放送に及ぶ(レギュラー話数全43話+特別編1話、通算計44話・3クール超)ため、編集都合から第22話(1984/03/30放映)〜第43話(1984/08/24放映)までの放送分につき、下記にて取り扱うこととする。
- 放送時間:(金)22:00-22:54
- レギュラー・準レギュラー出演者(♯22〜43まで)
- 中村主水:藤田まこと
- 飾り職人の秀:三田村邦彦
- 何でも屋の加代:鮎川いずみ
- 西順之助:ひかる一平
- 筆頭同心・田中:山内敏男[としお]
- 広目屋の玉助:梅津 栄
- お民:林 佳子
- 西巴:三浦徳子(♯1・3・4・11・15・21・22・38・43)
- 西順庵:溝田 繁(♯1・21・41・43)
- 中村りつ:白木万理
- 中村せん:菅井きん
- 三味線屋の勇次:中条きよし
- おりく:山田五十鈴(♯1~3・6~8・10・11・18・19・42・43)
- スタッフ等(♯22〜♯43)
- 製作:山内久司(朝日放送)
- プロデューサー:辰野悦央(朝日放送)/櫻井洋三(松竹)
- 脚本:中原 朗/保利吉紀/鶉野昭彦/篠崎 好/三田純市/林 千代
- 音楽:平尾昌晃
- OPナレーション:中村梅之助
- 主題歌:「花の涙」(詞:中西冬樹(山内久司)/曲:平尾昌晃/編:竜崎孝路/唄:鮎川いずみ CBSソニー)
- 挿入歌(♯1〜22):「自惚れ」(詞:阿木耀子/曲:宇崎竜童/・編:矢野立美/唄:三田村邦彦 TDKレコード)
- 挿入歌(♯23〜43):「風が泣くとき」(詞:山口洋子/曲:北林研一/編:小杉仁三/唄:中条きよし テイチクレコード)
- 監督:広瀬 襄/松野宏軌/田中徳三/八木美津雄/家喜俊彦/黒田義之
- 協力:エグラン演技集団/新演技座
- 制作協力:京都映画撮影所(松竹撮影所)
- 制作:朝日放送/松竹
- オープニングナレーション(作:山内久司、ナレーション:中村梅之助)
「近頃世間で流行るもの 押し込み強盗高利貸し 賄賂を貰う偉ぇ人 金、金、金の世の中で 泣くのは弱い者ばかり 涙を拭いておいでなせぇ 恨みを晴らす仕事人 陰膳据えて待っておりやす」
- 放送リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 | ゲスト | 備考 | |
22 | 583 | 1984/03/30 | 主水 大根めしを食べる | 中原 朗 | 松野宏軌 | 浜田 晃(半兵衛)/香月京子(お稲)/湯口和明(竹之進)/松山照夫(弥吉)/奥村嘉隆(杉野) | ・最高視聴率64%を記録する大ヒットドラマとなった当時放送中のNHK朝の連続テレビ小説「おしん」のパロディ要素を取り入れたエピソード(尚、「おしん」は同エピソードが放送された翌日の1984年3月31日に最終回を迎えた)。 |
23 | 584 | 1984/04/06 | せん 遺言状を書く | 保利吉紀 | 広瀬 襄 | 吉澤京子(春草)/伊庭 剛(佐平次)/大竹修造(竜峰)/谷口 香(お久)/和泉敬子(女将) | ・同回より仕事人の出陣シーンで流れる劇中挿入歌が秀役・三田村邦彦の歌う「自惚れ」から勇次役・中条きよしの新譜「風が泣くとき」に変更。これに併せて、勇次の”仕事”時の衣装もマイナーチェンジされ、羽織の背部に刺繍された「南無阿弥陀仏」の文字を”仕事”を終えた跡に大写しにして勇次の登場パートが終了するというパターンが新たに採られるようになった。 ・同回より次回予告の担当が加代役・鮎川いずみから主水役・藤田まことに交替(以後、本作終了まで藤田が予告を担当)。同時に6月公開予定の劇場作品の宣伝を兼ねて、撮影の裏側などを紹介する30秒程度のミニコーナー「製作トピックス」が予告に引き続いて挿入されるようになり、以後、1987年秋の連続テレビドラマ枠としての終了時まで、番組終了時における「次回予告+製作トピックス」のパターンが定着することに。 |
24 | 585 | 1984/04/13 | 秀 空中で戦う | 篠崎 好 | 広瀬 襄 | 加納 竜(矢七)/江幡高志(権助)/鳥居恵子(お仙)/志摩靖彦(白髪の六斎)/水上保広(辰蔵) | |
25 | 586 | 1984/04/20 | 主水の上役 転勤する | 鶉野昭彦 | 広瀬 襄 | 田島令子(おさわ)/三谷 昇(北条屋利兵衛)/剣持伴紀(宮部友右衛門)/米村義洋[国村 隼](鎌鼬の六) | |
26 | 587 | 1984/04/27 | 主水 外で子供をつくる | 林 千代 | 松野宏軌 | 高瀬春奈(お量)/亀石征一郎(北町与力・内藤)/南条好輝(新五)/村 直美(手伝いの女) | |
27 | 588 | 1984/05/04 | 主水 未知と遭遇する | 中原 朗 | 黒田義之 | 内田 稔(側用人・中根)/北原義郎(大野忠清)/唐沢民賢(若年寄)/柿崎澄子(福姫)/原万里亜(綾姫) | ・映画「未知との遭遇」「E.T.」のパロディ要素を取り入れ、当時隆盛を極めたSFブームを風刺したエピソード。 |
28 | 589 | 1984/05/11 | 順之助 20歳の誕生日に誘拐される | 保利吉紀 | 八木美津雄 | 志賀 勝(七兵衛)/安部 潮(音吉)/西山奈穂子(るい)/石倉英彦(弥七) | ・同放送日で順之助役・ひかる一平が20歳の誕生日を迎えることからひかるの”誕生日祝い”として製作されたエピソード。 |
29 | 590 | 1984/05/18 | 主水 せんとりつの葬式を出す | 三田純市 | 田中徳三 | 菅貫太郎(茂兵衛)/長谷川哲夫(長右衛門)/山本ゆか里(お半)/楠 年明(秋芳) | |
30 | 591 | 1984/05/25 | 勇次 投げ縄使いと決闘する | 篠崎 好 | 松野宏軌 | 倉田保昭(矢平次)/川田あつ子(おしの)/林亜里沙(お初)/高橋かおり・黒川あゆみ(娘) | |
31 | 592 | 1984/06/01 | 加代 幽霊になる | 中原 朗 | 松野宏軌 | 江戸屋小猫[四代目猫八](長吉)/和崎俊哉(大野)/茜ゆう子(まさを)/浜田雄史(田村)/島村美妃(お弓)/牧野博美(よしの) | |
32 | 593 | 1984/06/08 | 主水 超能力山伏に部屋を貸す | 林 千代 | 田中徳三 | 河原崎次郎(伊三郎)/望月真理子(お藤)/上野山功一(松井藤五郎) | |
33 | 594 | 1984/06/15 | 勇次 悪女軍団と対決する | 中原 朗 | 八木美津雄 | 加茂さくら(もえ)/芝本 正(弥兵衛)/紅 萬子(遊び人の女房)/桂川京子(お君)/和泉敬子(およし)/丸平峯子(けい) | ・「必殺」シリーズ通算600回記念作品として製作された本作の劇場版作品「必殺! THE HISSATSU」が封切される(6月16日、詳細は別記参照)。本映画は当時のテレビシリーズの好調ぶりに呼応して大ヒットとなり、以後、連続テレビドラマ枠としての終了時まで年1回のペースで「仕事人」路線を基本とした劇場版作品が製作されることとなった。尚、本作のゲスト出演者のうち、蝶々の朝吉役を演じた片岡孝夫・亀吉役の斎藤清六・お葉役の中井貴恵は後の「必殺」作品にも同じ役で出演している(片岡は連続ドラマ枠終了後の期首スペシャル版時代に2度、斎藤は「仕事人Ⅴ」のゲストとして、中井は劇場版第2作「ブラウン館の怪物たち」にそれぞれ出演。斎藤に関しては同劇場版と「仕事人Ⅴ」への客演がきっかけとなって「橋掛人」のメインキャラクター格でのレギュラー起用に繋がった)。また、助っ人の仕事人・政役を演じた芦屋雁之助も同劇場版への客演が決め手となって次回作「仕切人」へのメインレギュラーへの起用(「必殺」シリーズへの6年ぶりの本格復帰)に繋がったとされる。 |
34 | 595 | 1984/06/22 | 主水 失神する | 三田純市 | 松野宏軌 | 椎谷建治(平木新十郎)/千波丈太郎(荒岩金五郎)/新谷由美子(梨江)/永野辰弥(黒井但馬) | |
35 | 596 | 1984/06/29 | 田中筆頭同心 見合いする | 篠崎 好 | 家喜俊彦 | 石山律雄(勇二)/速水典子(お千賀)/かわいのどか(見合いの娘)/小笠原良知(片岡)/桃山みつる(お藤)/丘路 千(小田切) | |
36 | 597 | 1984/07/06 | 主水 流れ星に願いをかける | 林 千代 | 八木美津雄 | ||
37 | 598 | 1984/07/13 | せん 遂に再婚を決意する | 鶉野昭彦 | 家喜俊彦 | 早川雄三(堀田甚左衛門)/堀内正美(小源太)/水原まき[麻紀](たま) | ・通常は本筋のストーリーには関わらないサブキャラクターとして位置づけられているせん(菅井きん)が本流のストーリーに深く関わり、最終的に被害者的な立場にも立たされるという異色エピソード。 |
38 | 599 | 1984/07/20 | 主水 うなぎにナメられる | 中原 朗 | 田中徳三 | 早川 保(仁兵衛)/久仁亮子(おちか)/横田さとみ(お久)/山本一郎(義助)/中村孝雄(大沼) | |
39 | 600 | 1984/07/27 | 加代 エリマキトカゲを目撃する | 篠崎 好 | 広瀬 襄 | 今出川西紀(おせき)/高木二朗(藤兵衛)/山本 弘(仙蔵) | ・シリーズ通算600話を達成。 ・当時CMで注目された珍獣・エリマキトカゲを題材にしたエピソード。「仕事人」全盛期における時の流行や事件を風刺する作風を象徴するエピソードの一つに数えられる。 |
40 | 601 | 1984/08/03 | 主水 世にも不思議な朝顔を作る | 三田純市 | 家喜俊彦 | 小鹿 番(源蔵)/森川正太(阿曽次)/桂木 文(お雪)/山口朱美(お徳) | |
41 | 602 | 1984/08/10 | 主水 夏バテで早朝体操を休む | 林 千代 | 八木美津雄 | 田島令子(お糸)/石田信之(佐七)/黒田福美(小夜) | ・同回サブタイトル内の「早朝体操」はラジオ体操をパロディ化したもの。 ・テレビシリーズ放映600回記念公演と銘打って、京都・南座夏季恒例の「納涼必殺まつり」が上演される(8月11日~26日)。演目は「新・必殺仕事人/からくり猫屋敷」(出演:藤田まこと、鮎川いずみ、白木万理、京本政樹、村上弘明、ひかる一平、山内敏男、梅津栄ほか/作:保利吉紀、加藤藤穂/演出:山内久司)。本作をもって「仕事人」シリーズからの降板が既に決定した三田村邦彦・中条きよしの後継キャストとして次回作「仕事人Ⅴ」へのレギュラー入りが既に内定していた村上弘明・中条きよしがテレビシリーズに先駆けてそれぞれ花屋の政(村上)役・組紐屋の竜(京本)役で登場。両キャストの”顔見世興行”を兼ねた公演内容となった。 |
42 | 603 | 1984/08/17 | 加代 パン作りに挑戦する | 中原 朗 | 広瀬 襄 | 戸浦六宏(鉄蔵)/西山嘉孝(伊勢屋)/高野眞二(町年寄・徳衛門)/岡崎二朗(若年寄・志木)/はりた照久(米屋) | |
43 | 604 | 1984/08/24 | 秀 夕陽の海に消える | 篠崎 好 | 広瀬 襄 | 戸浦六宏(山岡銀二郎=鉄蔵)/田中弘史(矢源太)/志乃原良子(お涼)/長谷川直子(お花)/大橋壮多(吉蔵) | ・同エピソードをもって足掛け5年にわたって「仕事人」シリーズに出演してきた秀役・三田村邦彦が一旦シリーズから”卒業”。 |
終了後の展開 | ・本作終了をもって、「仕事人」ブームを牽引してきた立役者である秀役・三田村邦彦(「仕事人」初作から連続出演。尚、三田村は本作終了時点で「必殺」シリーズに計220話(及び特別編4本、映画1本)に出演しており、これはこの時点で主水役・藤田まことを除き、歴代男性メインレギュラー陣では最多の出演話数となっていた)、勇次役・中条きよし(「新・仕事人」から連続出演。この時点での勇次役としての中条の「必殺」出演話数は計136話(及び特別編4本、映画1本))が共に「仕事人」シリーズから降板。三田村は京都で撮影が行われる「必殺」への長期出演によって、他の仕事を請けられない事に対する不満、中条は役柄や番組の製作方針に対して自身の限界を感じた事が降板理由であった。 ・製作サイドは三田村に関しては過去数度、降板予定を白紙にして番組出演を強引に引き伸ばしてきた(「仕事人」初期、「新・仕事人」では三田村が演じる秀が殉死する計画が立てられていたが、何れも三田村のファンからの「延命」嘆願により白紙となった)経緯もあり、将来的に秀を主人公に据えた作品を製作する余地を残す(これは後に1986年放映の”非主水”作品「必殺まっしぐら!」で実現する)形で降板を了承。しかし、中条に関しては、「仕事人Ⅲ」の頃より”将来的に主水に次ぐ”必殺”の新たな大看板として勇次を据えたい”という意向を持っていた事もあり、「仕事人」シリーズからの”独り立ち”という形で本作終了後に制作予定となっている次回作の”非主水”作品へのメインキャストとしての起用を打診し、中条側もこれを了承(但し、中条本人は次回作以降の連続出演の意向はなく、自身の人気を再浮上させてくれた「必殺」への最後のご奉公のつもりでこの話を引き受けたという)。これに伴い、当初、1984年の”非主水”作品として準備が進められていた「仕舞人」第3弾の企画は白紙に戻され、中条に既に「仕舞人」の製作を見越してスケジュールを確保していた京マチ子を両看板として新作の「必殺仕切人」が製作される運びとなった(尚、「仕舞人」の新作には本作放映期間中に金曜21時枠で「必殺」スタッフ陣が製作に関わっていた「京都(秘)指令 ザ新選組」(1984年2月〜5月放送)にレギュラー出演していた京本政樹を新キャストとして起用することが内定していたが、この方針転換により一旦この計画は白紙に戻され、「仕切人」終了後に予定されている本作の続編(「仕事人Ⅴ」)に中条演じる勇次の後釜的な位置づけで京本は起用される事になった)。 |
【別記】劇場版作品「必殺! THE HISSATSU」(1984/06/16封切)
- 製作:山内久司(朝日放送)/櫻井洋三・野村芳樹(松竹)
- 監督:貞永方久
- 脚本:野上龍雄/吉田 剛
- 音楽:平尾昌晃
- 出演
- レギュラーキャスト(仕事人):藤田まこと(中村主水)/三田村邦彦(秀)/鮎川いずみ(加代)/ひかる一平(西順之助)/中条きよし(勇次)/山田五十鈴(おりく)
- レギュラーキャスト(上記以外):菅井きん(せん)/白木万理(りつ)/山内としお(筆頭同心・田中)/梅津 栄(玉助)/林 佳子(お民)
- ゲストキャスト:片岡孝夫[十五代片岡仁左衛門](蝶々の朝吉)/中井貴恵(絵日傘のお葉)/芦屋雁之助(政)/研ナオコ(およね)/朝丘雪路(柳橋のお甲)/石堂淑朗(庄兵衛)/赤塚不二夫(霞の半吉)/草野大悟(鎖筒の時次郎)/橋本 功(太鼓持ちの善好)/火野正平(仙太)/斎藤清六(胆蔵潰しの石亀)/たこ八郎(キツツキの吾平)/大前 均(牛鬼)/中田浩二(伝次)/浜田朱里(おきみ)/柳沢慎吾(酒場客)/美里英二(髪結いの新吉)
※前期(第1話~第21話)の放送回一覧は”「必殺仕事人Ⅲ」(♯1〜♯21)の項にて記載。
- 最終更新:2016-04-28 19:47:45